2017年2月3日金曜日

梅の木の剪定


梅の木の剪定をしてきました。
オーシャンにたくさんの梅をもたらせてくれる大きな梅の木で、
毎年梅干や梅酒を仕込んでいます。

三年ほど前に剪定をした際に、
たくさん枝を切りすぎせいか変なところを切ったせいか分からないですけど、
弱って死にそうになったことがありました。
それから三年間触らないようにして回復を待っていると、
ついにまた実をたくさん付けて元気になってきました。

しかし今度は実を付けすぎるのも問題で、
密集しすぎると腐ったり実が落ちたり全体的に実が小ぶりになって、
良い梅ができなくなってしまうそうです。
ようはバランスが大事だ、ということのようです。


オーシャンスタッフに剪定の知識を持った人がいなかったので、
講師にオーシャンで養蜂アドバイザーをしてくれる白金さんが来てくれました。
白金さんはこういう果樹の管理にもに詳しくぼくらが困っていると
「剪定の仕方教えようか?」 と声をかけてくれました。


オーシャンメンバーの参加者はぼく(牧)と、
畑チームからはりょうちゃんとえいじくんが集まりました。
梅の木は店から車で北に向かって十分ほどのところにあります。
もともとみかん畑ですけど、
これが数年前にカミキリムシに根を食われてほとんど死んでしまいました。


ここには今生き残ったみかん以外に、
 レモン、金柑、桃、プラム、にわとこ、キウイなど
 他にも小さい苗木がたくさん植わっています。


この日は雨が降っていたので雨具を身に着けて向かいます。
梅の木の前に立ったとき、
はたしてこれが正常なのか異常なのかさっぱり分かりません。
冬の今の時期葉っぱは一枚も付いていませんが、
花の蕾がつきはじめています。
枝はけっこう高くてぼくらの身長の倍ほどになっています。


「どうでしょうか?」とぼくら。
 「枝が伸びすぎちゃってるのと、
小枝も多いからけっこう切っちゃってもいいね。
細い枝を切っていると二度手間になることもあるから、
まずは太い枝を切ってから考えよう」と白金さん。
手袋をつけて小ぶりのノコギリを片手に
 「これ切っていいですか? 」
と一本一本確認しながら切りはじめる。


すぐに「なんか木が硬いね!」とりょうちゃん。
雨の日は木が水分を吸って締まるのか、
木屑が詰まるのか余計に力がいります。
「外へ外へ外へ、外向きに伸ばしていきたいから、
内側に向いてる枝は切っちゃっていいけど、
今度は広がりすぎたら切り戻し剪定といって戻すんだよね。
とりあえず今年は外へ向かっていく形をととのえよう」
とイメージが膨らむアドバイスを白金さんがしてくれます。


太い枝が一本崖から外に伸びているのを見つけました。
「それはもう実を付けても取れないから
根元から切っちゃってもいいね。
あと上に伸びたのも取るのが大変だから切っちゃおうか」

ざくざくと切っていきます。
「枝の先に三本も四本も出てるのは一本残して切っちゃう。
こういうときも内側に伸びていくのを切る」

































「これ見てみて。これは先端になりすぎてるんだわ。
枝がいっぱい出てるでしょ。
ほんとはこんなにならしちゃいけないんだわ」



「今の時点でバランスがだいぶ悪いもんだから、
多めに切ってやらんといかん。
毎回こんなに切るわけじゃないからね。
それに、梅がいちばん失敗が少ない。
切りすぎても次にすぐ生えてくるから。
剪定の仕方も人によってちがう。それぞれ考え方があるから。
上手な人は時間をかけてお椀、というか盃形にしていくんだよね。

「あ、ひこ生えがあるからこれは抜いとく」
見ると地面から若芽が伸びてきている。


太い枝がだいたい切れたら細い枝を落としていく。
枝が平行して伸びているやつは片方が影になるから切る。
進行方向が重なるのも切る。
下向きに伸びてるやつは実が落ちるから切る。
湾曲したり変な形のやつも切る。
枝同士の感覚の狭いやつも切る。
交差してるやつも切る。
もう、切らないところはないんじゃないかというぐらい、切る。

「だけど、本当に切ろうか迷ったときは残す。
収穫のときに見てうまく実ればいいし。
今年いっぺんに修正するというよりは、
年々修正していくっていうかんじだね」

そしてようやく切り終わりました。


りょうちゃんは呆然としていました。
「私は時が経てばうまく実ってくれると思ってらから、衝撃」

「切った枝は水にさしとくと花が咲くよ」
ぽそりと白金さんが言うので、
「もってこう!」
とぼくらはカッコの良さそうな枝を選んで持って帰りました。

たくさんの教えをありがとうございました白金さん。