2017年3月17日金曜日

solosolo展示会①

草木染めの服や小物を手がける〈solosolo〉による展示会を
来週の20日(月)までオーシャンで開催しています。
開催初日と2日めは田澤さんご夫妻と3人のお子さんで
長野から来てくれました。


僕自身は今回はじめてお目にかかりまして、
草木染めのことをいろいろ教えてくださいました。
知らない方には興味深いと思いましたので、
ご夫妻のお仕事のご紹介をすこしですが書きます。
〈solosolo〉展示会は残すところ3日間になりますので、
まだご覧になられていない方はぜひこの機会にどうぞ!


ご主人の田澤康彦さんにお時間をとってもらい、
僕の「草木染めって何ですか?」という。
漠然とした質問に答えていただきました。
康彦さんは僕が質問をすると一呼吸おいて、
その意味をじっくり頭の中に浸してから取り出すような、
静かなリズムで答えてくれる姿が魅力的な人でした。


以下、僕が質問をしながら康彦さんが答えてくれています。
となりで妻の苺禾さんが子どもたちのお世話をしながら、
具体的なエピソードをまじえて説明もしてもらいました。


「〈solosolo〉をはじめて五年目になります。
震災をきっかけに長野に引っ越しました。
前から畑をやってみたいなと考えてはいたんです。


東京にいたときは実家が自営業だったので仕事を手伝っていました。
妻はデザイン事務所で働いていました。
だから長野に引っ越すときは2人とも仕事をやめてしまったんですよね。
友達づたいで長野に行くことにしましたが、
ともかく暮らしありきで考えていました。
田舎に行ったら仕事はないだろうなと思っていまして、
夫婦一緒にできることはなんだろうと考えたときに、
妻がすでに製作をはじめていた草木染めに取り組んでみようと思いました。


彼女はデザイン事務所でグラフィックデザインの仕事をしていましたが、
自然が目の前にある場所でパソコンの前で仕事をすることには
違和感があったようです。


草木染めは妻が元々妊娠したときに『あのまっ白な産着を染めたい』
という考えからはじまりました。
当時、家の前に桜並木があったんですけど、
その葉っぱや枝といった身近なものを煮出して染料を作り、
染物に没頭していきました。


そのうち僕も手伝うようになりました。
そのときは染物に特別な意識はありませんでした。
服に色を付ける以上の気持ちはなかったです。


だけど長野に越してきて、
あらためて染物をしてみたらぜんぜん感覚が違ったんですね。
まず具体的に工程が変わりました。
これは〈solosolo〉のこだわりでもありますけど熱源には薪を使います。
それまではガスで煮出す作業をしていました。


長野の澄んだ空気の自然光の中で、
染め上がったばかりの風にはためく服は、
まさに自然の力を吸いこんだように思えました。
その美しさにうたれ、
自然の力を衣類におとしこむことが僕の仕事なんだという気がしてきました」


つづく。





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