2015年12月9日水曜日

シーズン仕事の休暇

す今年一年の営業を終えました。
ピッツェリアの改装工事も間もなく終わるところで、
休みの間に家具を入れ替えたり、
ペンキ塗りをしようと思っています。
イベントにはハワイに一週間の農業研修と、
それから年末年始は家族のいるカリフォルニアに行きます。

今年も楽しみはサンフランシスコの食べ歩きです。
去年と一昨年のメインはバークレーの〈シェ・パニース〉でした。
今年はオークランドの〈CAMINO〉と
ミッション地区の〈Bar Tartine〉を予約してあります。

毎年毎年オーシャンの営業スタイルは変化しながら、
今年は初めての一ヶ月休業をとることになりました。
夏の繁忙期に休みを削って働き、
ヒマな時期に休むというシステムです。
なんとなく欧米式をイメージしますけど、
お店で客さんと話していたらそんなこともありませんでした。

幡豆は漁師町です。
ぼくと同年代の漁師もいます。
幡豆・吉良・一色あたりはあさり漁師が多いです。
あさり漁師は年に半年間しか仕事が無いそうです。

その半年で一年の生計を立てなければいけないので、
仕事をしている時の給料は「そんなにあるの!?」と驚くのですけど、
年間を通したらそんなに多くもありません。
ちゃんと貯金していかないと、
ある時には勢いよく使ってなんて生活をして、
後半はひもじくなる可能性大です。

仕事が無い半年間をどう過ごすかは漁師それぞれだそうで、
二十から三十代あたりの船頭に雇われている若い衆は
建築系の仕事に日雇いで行ったりする人もいるし、
朝から飲みはじめるのもいれば、
パチンコ通いも結構多いです。
船頭はといえばたぶんあさりの養殖のための種まきや
船や仕事道具の管理もしているのでしょう。

そういえばハウス栽培のトマト屋さんに聞いても
冬から夏前頃が収穫時期で、
夏から冬にかけては準備期間になります。
もちろん遊んでいられるわけではなく、
苗作りや土壌作りなどの下準備が行なわれています。
だけど現金収入があるのは一年のうち約半分です。

ぼくはこういう一時期だけ収入があるというような仕事を
幸か不幸かしたことがありません。
だいたいアルバイトか会社員という雇われ人としてここまで来ているので、
一日でがっぽり収入が入ったなんていう経験もなければ、
突然収入が途絶えるという状態に陥ったこともないです。

だけどぼくが月給制だとしても、
オーシャンは実はもうちょっと、
この漁師とかトマト屋さんのように季節仕事の側面が強かったんです。

強かったというか、最初からそうなんです。
だけど年間通して同じ月給をもらっていると、
そういうシーズン仕事という感じが意識しづらくなってきます。
でもどうなんですかね、
日本人的には毎月同じ給料をもらってたほうが、
夏たくさんもらって冬無しというシステムよりも、
慣れと安心感があるからいいんですかね。
うーん、ぼくはどっちがいいかまだよくわかりません。

休みに関しては、
一ヶ月休暇もまだ一週間すら経っていませんが、
すでに良い試みだという気がしてます。
普段の春から秋に休む分を削るのは、
休みを楽しみにしてる人には辛いかもしれませんけど、
季節で仕事にオンオフがあるのはけっこう自然なことなんじゃないかと。

むしろ年間通して同じリズムの仕事をしようとするほうがケガをしそうです。
オーシャンでいえば冬にお客さんを呼び込むとか?
(冬に店が繁盛しそうになったらたぶんこの考えもころっと変わります)

しかしこの一ヶ月休業では
ぼくは野球のシーズンキャンプのように、
素振りをして来年に挑みたいと思います。
きっと来年は今年以上に良くなると信じて。
そう自分に期待します。

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