2015年12月27日日曜日

拡張工事の経過

休みの間に着々とピッツェリアの拡張工事は進んでいます。
テーブル席も増えて、
さらにくつろぎのソファー席もできます。
以前はコンテナの中に座れるのは七、八人ていどでしたが、
拡張後にはなんと二十五人まで暖かい室内席に座れます!

ピッツェリア、劇的進歩を迎えました。
居心地の良いモーニング営業ができそうです。
リューアルオープンまでもう少しです。




2015年12月18日金曜日

バナナ林での作業

バナナはいたって日常的な果物ですけど、
バナナが樹木で実っている状態というものを日本で見ることはまずありません。
というかぼくは見たことありません。
きっと九州や沖縄に行けばあるんでしょうけど、
やっぱりバナナは南国でないとうまく作れないんでしょう。

もちろんハワイではバナナが実っている場所をたくさん見ることができます。
オアフではどうか知りませんけど、
ハワイ島のコナ地区では家の庭に大きな葉っぱに
バナナの房を垂らした木を見るのは珍しくありません。

バナナの他には巨大なアボカドの木、
つるに這って実るリリコイに、
パパイヤとマンゴー、
そして果実なのに芋の味がするパンの実。

これらの果物は年中実っているので、
庭に木がある人は朝落ちていればそれを拾い、
熟しているものがぶら下がっていればもいで、
毎日新鮮なフルーツが食べきれないほどテーブルに並びます。

ぼくはこのコナ地区で一週間農業研修のために滞在して、
主にバナナの世話をしていました。
バナナ林の若い木を育てるために鬱蒼とした古い木を切り倒し、
切った木が栄養となって土に還りやすくしてやるために粉砕する作業を行いました。

何が面白いかというと、
バナナの木は太いものでも電柱ぐらいなものですけど、
その幹が何と簡単に切り倒せるか。
ノコギリの刃を当てて引くとサク、サク、サクという音がして、
発泡スチロールを切るように簡単に切れるのです。

そしてこのバナナの木のかわいいところが、
木自体がバナナの実のようなのです。
木の切り口も実と似ていれば、
樹皮がめくれると太いバナナそのものといった中身が現れます。
さらに時間が経つとこの切り口が黒ずんでいくのも実と同じです。

バナナの木は水をふんだんに蓄える性質を持っていて、
ノコギリで切込みを入れるとピューと水が吹き出るほどです。
この切り倒した木をさらに木っ端にするために、
日本から運んでいったワラ切りという道具を使いました。

ワラ切りはギロチンのようなもので、
硬いものでも簡単にスライスできる恐ろしい処刑道具です。
よく日本から運び込めたなと思います。
これでバナナの木を10センチほどにスライスしていきます。
一本の木を切り終わる頃には吹き出てくる水分で手袋がびっしょり濡れます。
ちなみにこの水を舐めてみましたけど無味無臭で、
バナナの味はしませんでした。

バナナはまだ青いうちに収穫して、
黄色く熟れるまで吊るしておきます。
品種はアップルバナナというもので、
日本でよく売っているものよりも半分ほどのサイズで、
アップルというだけに軽い酸味と、
りんごのような香りがあって美味しいです。

昨日コナから日本に帰ってきましたけど、
朝、空港に向かう時も房から二本ちぎって朝食にしました。





2015年12月9日水曜日

シーズン仕事の休暇

す今年一年の営業を終えました。
ピッツェリアの改装工事も間もなく終わるところで、
休みの間に家具を入れ替えたり、
ペンキ塗りをしようと思っています。
イベントにはハワイに一週間の農業研修と、
それから年末年始は家族のいるカリフォルニアに行きます。

今年も楽しみはサンフランシスコの食べ歩きです。
去年と一昨年のメインはバークレーの〈シェ・パニース〉でした。
今年はオークランドの〈CAMINO〉と
ミッション地区の〈Bar Tartine〉を予約してあります。

毎年毎年オーシャンの営業スタイルは変化しながら、
今年は初めての一ヶ月休業をとることになりました。
夏の繁忙期に休みを削って働き、
ヒマな時期に休むというシステムです。
なんとなく欧米式をイメージしますけど、
お店で客さんと話していたらそんなこともありませんでした。

幡豆は漁師町です。
ぼくと同年代の漁師もいます。
幡豆・吉良・一色あたりはあさり漁師が多いです。
あさり漁師は年に半年間しか仕事が無いそうです。

その半年で一年の生計を立てなければいけないので、
仕事をしている時の給料は「そんなにあるの!?」と驚くのですけど、
年間を通したらそんなに多くもありません。
ちゃんと貯金していかないと、
ある時には勢いよく使ってなんて生活をして、
後半はひもじくなる可能性大です。

仕事が無い半年間をどう過ごすかは漁師それぞれだそうで、
二十から三十代あたりの船頭に雇われている若い衆は
建築系の仕事に日雇いで行ったりする人もいるし、
朝から飲みはじめるのもいれば、
パチンコ通いも結構多いです。
船頭はといえばたぶんあさりの養殖のための種まきや
船や仕事道具の管理もしているのでしょう。

そういえばハウス栽培のトマト屋さんに聞いても
冬から夏前頃が収穫時期で、
夏から冬にかけては準備期間になります。
もちろん遊んでいられるわけではなく、
苗作りや土壌作りなどの下準備が行なわれています。
だけど現金収入があるのは一年のうち約半分です。

ぼくはこういう一時期だけ収入があるというような仕事を
幸か不幸かしたことがありません。
だいたいアルバイトか会社員という雇われ人としてここまで来ているので、
一日でがっぽり収入が入ったなんていう経験もなければ、
突然収入が途絶えるという状態に陥ったこともないです。

だけどぼくが月給制だとしても、
オーシャンは実はもうちょっと、
この漁師とかトマト屋さんのように季節仕事の側面が強かったんです。

強かったというか、最初からそうなんです。
だけど年間通して同じ月給をもらっていると、
そういうシーズン仕事という感じが意識しづらくなってきます。
でもどうなんですかね、
日本人的には毎月同じ給料をもらってたほうが、
夏たくさんもらって冬無しというシステムよりも、
慣れと安心感があるからいいんですかね。
うーん、ぼくはどっちがいいかまだよくわかりません。

休みに関しては、
一ヶ月休暇もまだ一週間すら経っていませんが、
すでに良い試みだという気がしてます。
普段の春から秋に休む分を削るのは、
休みを楽しみにしてる人には辛いかもしれませんけど、
季節で仕事にオンオフがあるのはけっこう自然なことなんじゃないかと。

むしろ年間通して同じリズムの仕事をしようとするほうがケガをしそうです。
オーシャンでいえば冬にお客さんを呼び込むとか?
(冬に店が繁盛しそうになったらたぶんこの考えもころっと変わります)

しかしこの一ヶ月休業では
ぼくは野球のシーズンキャンプのように、
素振りをして来年に挑みたいと思います。
きっと来年は今年以上に良くなると信じて。
そう自分に期待します。