2014年6月2日月曜日

メビウスのお辞儀

先月は「控えめなフレディー」というタイトルで、
ウーフーとして農業を手伝いに来てくれていた
アメリカ人の大学生のことを書きました。

入れ替わるようなタイミングで今度は二人のウーフーが来てくれました。
一人はドイツ人の二十歳の女子大生で、
生物学を勉強しているレアという金髪のかわいらしい子です。
僕よりもちょっと背が低いですけど(ドイツではかなり小柄)、
ビールはだいたい3リッターぐらい飲めるそうです(ドイツでは標準)。

もう一人は某航空会社のキャビンアテンダントとして約十年働き、
「これまで仕事のことしか考えてこなかったから、
しばらく旅をしてみようと思ってケリをつけた」と言う、
四〇代女性のKさんが来てくれました。

Kさんが只者でないことは、
彼女にお辞儀をされるときに分かります。
彼女はプロフェッショナルだ、と直観的に感じます。
スタッフの一人はこう言いました。
「Kさんにお辞儀をされると優越感を感じるんだよね」

そこでKさんのお辞儀についてみんなで話し合い、
一つの結論を導き出しました。
彼女のお辞儀はサラリーマンのお辞儀ではないのです。

サラリーマンのお辞儀とはどんなものか。
先週僕は『半沢直樹』のDVD全巻を一日で見通したばかりなので、
サラリーマン的お辞儀を鮮明にイメージできます。

堺雅人は両腕を指先までぴっしり伸ばし、
お尻を突き出し気味に(後ろに人がいたら突き飛ばすぐらい)、
頭は75度の角度まで下げ
(対面でお互い同じお辞儀をしたら確実に頭をぶつけあう)、
ブーメランのような形です。

それに対してKさんのお辞儀はなんというか、
直線上のラインだけでは説明できません。
ひねりが加わっているんです。
メビウスの輪を思い出してください。
直線上のラインに一ひねり加えることによって、
二次元から三次元の世界に飛躍しています。

Kさんのひねりはどこにあるのか。
スタッフの一人がKさんのお辞儀のマネをしているときに
これか!?という動きを発見しました。
それは肩の動きです。

Kさんの肩はお辞儀をするとき、
右肩のほうが若干前に出ているのです。
左肩を引き、右肩が前に出るようにして頭を下げる。
両手は丹田の辺りに重ねて、
頭を下げる角度は状況に応じて軽めのときもあれば深い時もある。
だけどどんな時にも、
頭を下げると同時に、軽く上半身をひねっているのです。

これは航空業界のノウハウなのか?
このお辞儀がなんと呼ばれているのか知りませんが、
仮称“メビウスのお辞儀”ということにしたいと思います。

このメビウスのお辞儀は奥深さを持っていますが、
マネをするときに気を付けなければいけないことがあります。
女性がこのお辞儀をすると特別な優越感を相手に与えることができますが、
男性がこのお辞儀をするとオカマにしか見えません。

今日このブログを書いている日の一日前に、
三週間ほどオーシャンの仕事を手伝ってくれたKさんは
次なる目的地に向かって旅立って行きました。
お辞儀のことについて質問する機会を逃してしまいましたが、
またお会いできた時に訊ねてみようと思います。

次回のブログではレアちゃんが作ってくれた、
ドイツ料理の“カクフェ プファ”について。
それと、彼女もドイツでシェアハウスをしているそうですが(ゲイ二人と)、
部屋のドアノブに靴下をぶら下げとくことは大事、
と話しをしてくれたことについて書こうと思います。

2 件のコメント:

  1. こんにちは!
    通りすがりの者です。

    メビウスのお辞儀のことですが、
    左足を半歩後ろに引いてるのでは
    ないでしょうか?
    足をずらすのは、
    着物の場合のきれいな立ち姿で、
    この状態だと お辞儀がひねります!
    料亭の女将さんも
    ひねってるイメージですよ。

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  2. こんにちは、
    通りすがりのところコメント嬉しいです。
    ありがとうございます。

    なるほど、足を引くことでひねりが加わっているんですか。
    お辞儀は上半身だけの動きかと思いきや、
    下半身の動きも重要なんですね。
    早速試してみました。
    確かに、ひねりが自然に加わります。
    そうですね女将もそういうお辞儀のイメージが僕にもあります。
    やっぱり女性ならではの動きなんですね。

    この半歩引いた足をもう片方の足にクロスさせて、
    左腕を腰の後ろに、
    右腕は体に巻き付けるようにすると、
    王子様のお辞儀ポーズになりますよね。
    だからどうだという話しでもないですけど。

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