2014年4月21日月曜日

酒種酵母作り①

二日前から酒種酵母を作るための仕込みをしています。
今はピザ生地には「ホシノ丹沢酵母」を使っています。
温度管理さえしっかりすれば、
失敗もそんなにありません。

だけどここ最近思ってるのは、
小麦粉が知多産で地元の物だから、
酵母も地場の菌のほうが相性が良いんじゃないか、と。
それを試してみたくなりました。

元々、オーシャンでは宮本さんが稲麹を培養して、
味噌や醤油作りにも使っています。
この自前の麹があるんですから、
これを上手く使えたらいいなと思っています。

恥ずかしい話し、僕は酵母に詳しくありません。
ピザ生地を毎日発酵させていますけど、
試すのは水や粉の量を変えるぐらいです。
酵母は最初からずっと変えていません。

自家製の天然酵母は風味が良いとか、
インスタントイーストは発酵力が強いとか、
ナポリピッツァは伝統的にビール酵母を使ってきたとか、
そういう情報を知ることができても、
試したことはありません。

今まであんまり他の酵母を試そうとも思いませんでした。
だけど酒種酵母のことを知って、
「これはオーシャン内で宮本さんが開拓して、
地場がほとんど出来上がってる分野のことじゃないか」
と思いました。

僕は未開拓地帯を切り開くことは苦手ですけど、
道があれば率先して歩いて行けるほうです。
というか、そっちが普通ですか?
未知の世界を切り開くなんて難しいことです。

今ウチで泊まってるフレッドというアメリカ人は、
三ヶ月の日本巡りを終えて帰ったら、タンザニアに行く前に、
オレゴン州で“Trail construction”の仕事をすると言ってました。
ぬかるみを進み、草を掻き分け、木を切り倒す言葉通り道の開拓者です。
これは僕にはできません。
ヘビとかヒルがいる場所に近付く仕事は給料が高くても断ります。

ピッツェリアの石窯だって最初はパンを焼くように作られはじめたのを、
僕がピザを焼くと言ったので、
後から石窯を囲うために建物を建てました。
何で最初から自分で「石窯を作って欲しい!」と言わなかったのか。

去年の春に石窯が作られはじめたとき、
僕は自分がピザ職人になると思っていませんでした。
たぶん、
思っていませんでした。
無意識に石窯が欲しいと念じていたり、
絶対にピザじゃなければイヤだなんて素振りを見せたつもりもありません。

「石窯を活用しないともったいない」と思ったところで初めて、
ピザを焼くイメージがポツポツ湧いてきたような感じです。
だから同業種の職人なんかに会うと僕は
「何も知らなくてすいません」ということが色々ありました。

それと同じように今回も
「麹菌を活用しないともったいない」と思いはじめて、
酒種酵母を作ってみようと思いました。
「もったいない」が動機です。
もうちょっと人生を賭けた強い動機があると堂々とできるんですけどね。
自分のケチくささに悲しくなります。

すぐに売り物のピッツァとなるような話しではないです。
試作の酵母ができるのでさえ一ヶ月かかる予定ですから、
これを何回も繰り返せる自分の根気が続いて、
食べれるものができたらいいな、という弱気な計画です。

これが今の仕込み中の写真です。
冷飯・生米・水。
以上です。



これは乳酸菌を取り込んでいる段階です。
蓋には菌が通過できるようにサラシを使っています。
化学繊維や染料が使われたものはもしかしたら菌が嫌って、
近寄ってこないかもしれない可能性があるのでサラシです。

今僕は毎朝この冷飯をサラシに包んだものをモミモミと揉んでいます。
乳酸菌を取り込んで「菩提もと」を作る課程です。
宮本さんの指導のもと作業をしております。
一週間ほどでできそうです。

この後、この生米を炊いて米麹と合わせて、
また発酵させる予定です。
うまくいくといいなー。

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