2014年4月13日日曜日

控えめなフレディー

今週からオーシャンにはアメリカ人のウーフが来てます。
22歳のフレディーは西ワシントン大学を卒業したばかりで、
環境科学を学んでいたそうです。
来年タンザニアに環境活動の仕事に行くことが決まってます。
その前に農業を経験しておきたいということでやって来ました。

なぜ日本なのかと聞いたら
「高校生のとき日本語のクラスを取ったから、
完全に忘れる前に来たかった」
と言ってました。

三週間オーシャンの畑を手伝ってもらって、
その後、滋賀と長野の農園を巡って、
計三ヶ月日本に滞在する予定だそうです。

フレディーはがっしりとして背が高く、
グレーがかった金髪の白人ですけど、
押し出しの強いエゴの塊みたいなアメリカ人とは違います。
かなり控えめです。

ビールも僕が二本飲んでいる間に一本しか飲みませんし、
トーストも僕が二枚食べてるうちに一枚しか食べません。
詩を書くのが好きで、
箸を使うのが上手く(マイ箸を持っている)、
僕が汚した食器を放っておくのと違ってすぐに洗う(僕のも一緒に)。

朝のことです。
コーヒーを淹れるために台所に行くと、
フレディーは紅茶を飲んでいました(ウチに泊まっている)。
彼の鼻が黄色くなっていて、
ちょっとの間観察していたんですけど何だか分からなかったので、
「鼻に黄色いものが付いているよ」と言うと、
何て言ったと思いますか?

「外を散歩していたら花がたくさん咲いていて、
匂いを嗅いでたんだけど、
それで付いちゃったかな」
と照れ笑いを浮かべてその鼻に付いた黄色い花粉をぬぐって言いました。
何て心がきれいそうな男なんだ!

それと彼は現代の若者らしからず、
iPhoneもパソコンも電子機器の類を何も持ってきていません。
「フレディーはネットジャンキーじゃないんだ?」と聞くと、
「Addictedしないように、わざと持ってこなかった」と言いました。

その代わりに彼は、
Shusaku Endoの『Silence』と、
Yasunari Kawabataの『Snow Country』を持ってきました。
クラシック純文学です。

「文学を読めばその国のことが知れそうだと思って」と。
僕も同じ理由で去年、ベリーズに行く前に、
その国を舞台にした本を探して
『Belize』という英語の小説を買いました。

その本は結局英語を読むのが焦れったくなって、
2ページぐらいしか読まなかったですけど。
それでも、物語は良いです。
『地球の歩き方』みたいなガイドブックも良いですけど、
情報と物語の使い方を分けたいです。

ガイドブックはつまり地図で、
物語はコンパスだと僕は思ってます。
いや、物語が地図で、
ガイドブックがコンパスか?

まあ、どっちでもいいですけど、
でもセットで持っていたいです。

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