2013年11月8日金曜日

現代版パワースポット

空港は何も飛び立つ人だけのためのもではない。
大切な人、
愛する人、
かけがえのない人を見送るための場所でもあります。

そんな空港は再開と別れの舞台で、
たくさんの人の気持ちが渦巻いています。
普段は素っ気なくしていた人がいざ飛び立つとき、
突然、その相手のことが自分にとって大事な人であると気付く。

そういう気持ちにさせる空港は
現代版パワースポットです。
もっと大事な人と時間を共にすればよかった、
もっと優しく接すればよかった、
と、自分を省みてメンタル的な脱皮をする場所です。

昨日はアメリカから来ていた母と義父が帰るのに、
オーシャンのオーナーである小夜子さんと共に空港に送った。
空港で僕らは最後の晩ご飯に寿司を食べて、
「アメリカのあそこの寿司屋は美味しくて、
ハワイのあそこの回転寿司は美味しくなかった」
とかそんなどうでもいい話しをしてるうちに、
別れの時間はすぐにきました。

出国ゲートの前にきて、僕らはハグをする。
何か伝えきれてないものがある、と感じる。
だけどそれをうまく伝えられないから、
涙ぐんだり淋しさを感じたりする。

荷物検査の列に並んでいる二人に向かって手を振る。
彼らは何度も振り返る。
僕らは手を振る。
母たちの番がきてリュックを検査員に渡そうとする。
そのとき小夜子さんがハッとして言いました。

「あ、レシートちょうだい!」
寿司屋のレシートで駐車券がタダになるのです。
彼らはバッグの中のレシートを探る。
検査員たちは次の人どうぞと業務を遂行する。

僕はポケットに入れている手帳にメモをする。
「感動的な別れの次の瞬間、
小夜子レシートちょうだいと言う」

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