空港は何も飛び立つ人だけのためのもではない。
大切な人、
愛する人、
かけがえのない人を見送るための場所でもあります。
そんな空港は再開と別れの舞台で、
たくさんの人の気持ちが渦巻いています。
普段は素っ気なくしていた人がいざ飛び立つとき、
突然、その相手のことが自分にとって大事な人であると気付く。
そういう気持ちにさせる空港は
現代版パワースポットです。
もっと大事な人と時間を共にすればよかった、
もっと優しく接すればよかった、
と、自分を省みてメンタル的な脱皮をする場所です。
昨日はアメリカから来ていた母と義父が帰るのに、
オーシャンのオーナーである小夜子さんと共に空港に送った。
空港で僕らは最後の晩ご飯に寿司を食べて、
「アメリカのあそこの寿司屋は美味しくて、
ハワイのあそこの回転寿司は美味しくなかった」
とかそんなどうでもいい話しをしてるうちに、
別れの時間はすぐにきました。
出国ゲートの前にきて、僕らはハグをする。
何か伝えきれてないものがある、と感じる。
だけどそれをうまく伝えられないから、
涙ぐんだり淋しさを感じたりする。
荷物検査の列に並んでいる二人に向かって手を振る。
彼らは何度も振り返る。
僕らは手を振る。
母たちの番がきてリュックを検査員に渡そうとする。
そのとき小夜子さんがハッとして言いました。
「あ、レシートちょうだい!」
寿司屋のレシートで駐車券がタダになるのです。
彼らはバッグの中のレシートを探る。
検査員たちは次の人どうぞと業務を遂行する。
僕はポケットに入れている手帳にメモをする。
「感動的な別れの次の瞬間、
小夜子レシートちょうだいと言う」
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