2013年11月12日火曜日

ダウンジャケットの補修

畑チームのイサムシくんの仕事場は畑だけあって、
小枝、イバラ、茂みなどをかき分けています。
その結果、自然界のナイフに切り裂かれて、
いつの間にか服に穴が開いていたりする。

だからといって物持ちのいい彼は
穴の開いた服をすぐに棄てたりはしません。
イサムシのジーンズにはそれがデザインされたものかのように
縫ったり、何色もパッチワークがされている。

ダウンジャケットの創意工夫に関しても一味ちがう。
イサムシのパタゴニアのダウンはパタゴニアの丈夫なもので、
生地を簡単に縫ったりはできない。
下手に穴を開けたりしたら、
ほころびから羽が飛んでいってしまう。

そこでイサムシがとった手段は、
穴の開いたところに透明なビニールテープを貼ることでした。
その修復された部分はパッと見分かりません。
しかしイサムシの上着の全体像を見渡すと、
一部ツヤツヤしている箇所を発見できます。
三センチ角ぐらいのツヤツヤが二箇所ある。

ダウンは半艶ですけど、
三センチ角の二箇所は全艶なので、
「艶ちがい」で補修箇所を発見できます。
ただ、そんな過酷な環境を毎日行き来していると、
部分補修では追っ付きません。

僕が「へー、ダウンってこんな補修ができるんだー」と、
ダウンを触らしてもらうと、
本来しっかり詰まっているはずの羽の感触が、無い。
あの、モフモフとしたあったかなダウンジャケットに、
ダウンが詰まっていません。

よく見ると小さな穴がところどころ開いている。
人差し指と親指で生地を挟んできゅっきゅとすると、
表の生地と、
裏の生地、二枚の生地の感触しかない。
イサムシはこう言いました。
「これはもうウィンドブレーカーみたいなものさ」

三年間の毎冬着て消費した羽の量は、
50%に達していると思われるので、
確かにもうダウンジャケットとは言えません。
ちょっと暖かいウィンドブレーカーです。

それにしても、いくら畑作業でもパタゴニアのダウンが
三年の寿命は早すぎます。
そこでイサムシは一つ教訓を得ました。
イサムシは言いました。
「服は着回そう」

イサムシは三年間、寒いときはかかさずそのダウンでした。
靴は履き回せば長持ちすると言うように、
服も着回したほうがよさそうです。

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