道王。
それは飽くなき好奇心を持って、
迷ったり行き止ったりすることも厭わず、
未知なる道を選ぶ人のことで、
「誰よりも道が好きだ」と言える人に与えられる称号です。
幸運にも、僕の身近には道王がいます。
道王が近くにいるということは、とても幸運なことです。
(文法を反対にしただけですけど)
同居人の荒川くんが道王であることを知ったのは、
つい最近のことでした。
どこかに行くとき、迷いません。
遅刻しそうなとき、遅れません。
訳の分からない道に突入し、いつもの道に飛び出す。
遠回りをしているかと思いきや、近道だった。
「道が好きだ」
道王がふとそう言うとき、
彼の顔は輝いています。
僕はもう、道のことで横からとやかく言うまい、
とそう決めました。
道王とは道で哲学する人である。
T字路に人生の教訓を見つけて
(左か右で迷ったら行ったことの無いほうへ行こう)、
ヘアピンカーブで人生の安楽を見出す
(流れに逆らわないで進む気持ちよさが良いんだ)。
つい先日も道王の格言を頂きました。
いつものように道王は僕の知らない細い道に入っていった。
対向車が向かってきたので、
彼は車を横に寄せて停まり、こう言いました。
「道をゆずっても早く着けるのが道道(みちどう)。
他人を追い抜いて早く着いても仕方がないのだ」
は、ははー!(平伏す)なるほどそれが道道ですね!
ニーチェの綱渡り哲学では追い越された者が
墜落して死にますけど、
道王の車道哲学はすすんで追い越してもらって生きる道です。
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