2013年10月8日火曜日

道王の道道

道王。
それは飽くなき好奇心を持って、
迷ったり行き止ったりすることも厭わず、
未知なる道を選ぶ人のことで、
「誰よりも道が好きだ」と言える人に与えられる称号です。

幸運にも、僕の身近には道王がいます。
道王が近くにいるということは、とても幸運なことです。
(文法を反対にしただけですけど)

同居人の荒川くんが道王であることを知ったのは、
つい最近のことでした。
どこかに行くとき、迷いません。
遅刻しそうなとき、遅れません。
訳の分からない道に突入し、いつもの道に飛び出す。
遠回りをしているかと思いきや、近道だった。

「道が好きだ」
道王がふとそう言うとき、
彼の顔は輝いています。
僕はもう、道のことで横からとやかく言うまい、
とそう決めました。

道王とは道で哲学する人である。
T字路に人生の教訓を見つけて
(左か右で迷ったら行ったことの無いほうへ行こう)、
ヘアピンカーブで人生の安楽を見出す
(流れに逆らわないで進む気持ちよさが良いんだ)。

つい先日も道王の格言を頂きました。
いつものように道王は僕の知らない細い道に入っていった。
対向車が向かってきたので、
彼は車を横に寄せて停まり、こう言いました。

「道をゆずっても早く着けるのが道道(みちどう)。
他人を追い抜いて早く着いても仕方がないのだ」

は、ははー!(平伏す)なるほどそれが道道ですね!
ニーチェの綱渡り哲学では追い越された者が
墜落して死にますけど、
道王の車道哲学はすすんで追い越してもらって生きる道です。

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