2013年10月1日火曜日

マイペースのなすり付けあい

こないだ同居人の荒川くんと熱く議論になったのですが、
その問題というのが、
「どっちがよりマイペースか」というもので、
マイペースなのを押し付けあいました。

僕らはどっちも人から
「荒川くん(牧くん)ってマイペースだよねー」
と言われることがけっこうあります。
それに対して僕らは「カチンとくるよね」と手を握りあいました。

「いや、こっちはキビキビ動いてるんですけど」とか、
「あからさまにバタバタするのは見苦しい」とか、
「状況に合わせてギアを入れ替えてるよ」とか、
僕たちは色々反論したくなるのをぐっとこらえているんです。

たまにムッとして反論をすると
「違うよー、良い意味で言ったんだよー」
と言い返されるので、
なんだかムッとした自分が悪かったみたいな感じになります。

さて、問題はここからです。
僕からしたら荒川くんのほうがマイペースだと思っています。
そう言うと荒川くんも同じように
僕の方がマイペースだと言い張りました。

「そっちでしょ」
「いやいやそっちのがでしょ」
「ははは、ずっと思ってたけど荒川くんかなりマイペースだよ」
「それはない!一心のがだいぶマイペースだね!」
というふうに。

なぜ僕らはマイペースの押し付けあいに発展してしまったのか?
それは「マイペース」という言葉に
ネガティブな意味を添えてしまうからというよりは、
素早く合理的かつ経済的な動作をするべきであるという、
ハイペース?な方針が僕らの体に無意識に染み付いているんです。
社会ではキビキビ動くべきで、
ノビノビではダメだという考えが。

でも人に「君はマイペースだね」と言うとき自分では、
上に書いたように「良い意味」で言ってるんです。
人に言うときは否定しているつもりはない。
でも人から言われると否定されていると感じる。

きっとそういう言葉は他にも探せばありそうです。
同じ言葉でも言うときと言われるときで意味が変わる言葉。
文化が違うとそういう言葉はもっと増えそうです。

たとえば、
日本人は「芸能人の〜〜に似てるよね」というやり取りを
けっこう楽しんでしますけど、
アメリカ人に「芸能人の〜〜に似てるよね」と言うと怒ります。
「ブラピみたい(アンジェリーナ・ジョリーみたい)」と言っても、
「おれはおれだ(ワタシはワタシよ)」というのも近いかもしれない。

現代日本はマイペースを楽しめきれない状況下にあると踏んだ
今日この頃です。

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