2013年9月30日月曜日

幡豆にぎわう

昨日は幡豆がにぎわっていました。
〈秋の友引市〉でも活気があったみたいで、
〈はず夢ウォーク〉という約六キロを歩くイベントもあって、
オーシャンの前をたくさんの人が通っていきました。

お昼過ぎぐらいになると
尊皇の蔵開きでお酒を飲んだ帰りの人たちが、
男性ばかりの四、五人のグループで、
ピザを食べにきてくれたりしました。

電車で西幡豆駅まできて尊皇の酒蔵はすぐ近くなので歩き、
その途中の出店でツマミなどを買いながら向かう。
酒蔵の外には七輪がたくさん並んでおり、
どれも勝手に使っていいものです。

その七輪を囲んで、
スルメや魚の干物を炙ってそれをツマミに、
尊皇の日本酒を飲んで来たそうです。
去年はぼくもこれを体験しているので、
この楽しさを知っています。

キムチ屋さんの出店もあってそのときに食べた
青唐辛子のキムチとチャンジャがうまかったです。
この辛いキムチに濃厚な甘い日本酒の組み合わせが
べったりしすぎかと思いきや、
日本酒はぐびぐびいけてしまうし
キムチも止まらなくなる。

次回の友引市は春です。
今回行けなかった人はまた来年の春遊びに行ってみると
きっと楽しいですよ。

2013年9月29日日曜日

パニーニ作り

おはようございます。
今日は朝から友引市で出店のパニーニ作りをしてきます。
ピザ生地をコッペパンのように伸ばして、
石窯でふっくら焼き上げたパンにサンドします。

どうせなら自分も朝食をパニーニにしようと思って、
いつもはたっぷり食べる朝ごはんも食べずに行きます。
飢えながら、目を血走らせながら、
人が横を通ったらキッと睨みながらパニーニ作りをします。

習慣通りに生活する楽しさと、
習慣から外れた楽しさだったら、
ぼくはいつも習慣通りのほうを選んでしまいます。
自分にとっては習慣通りのほうがいいけど、
パニーニを食べる楽しみのために負荷をかけようと思います。

習慣通りの生活に自分を置くことを気にしてるけど、
たまに習慣から外れた不規則な環境でも平常心でいられたら
すごくいいなと思います。
今日は自ら習慣を外した朝なので、
あまり他人に危害を加えないようにパニーニ作りをしてきます。

2013年9月28日土曜日

海段を下る

カフェには各テーブルにマンスリーを置いていて、
その月に行われるイベントや貸切りなどの情報が見れます。
と共に、オーシャン内のニュースや畑の農作状態なども
内容的にはちょっとしたものですけど発信しています。
来月のマンスリーの〈スタッフ日記〉には
こんなことを書きました。

「オーシャンではランチからカフェタイムまで、
いつでも本格ナポリピッツァを提供できるようになりました。
海を一日楽しむために、
お腹が空いていたらピッツァを、
甘いものが欲しいときはお茶とスイーツを。
地元の食材を使った美味しいものを、
いつ来ても味わっていただけます」

こうやって記事を転載すれば、
一日分のブログを簡単に消化できるなんて、
そんなつもりじゃないですからね。
ほんとに、コホンコホン、言い逃れなんてしてませんから。

記事では「いつ来ても」ってとこを強調してます。
いつ来てもご飯もお菓子もあるっていうのが、
オーシャンのスペシャルです。

昼の海、
午後の海、
夕暮れの海、
陽が沈んだ海、

これを海段(階段)と言います。
ただ単に段落が階段みたいになってるから、
そんなことを思いついたんだと指摘されれば、
言い逃れはしません。

しかしそれでも、海は心の階段です。
陽が落ちるにしたがって、
海段を降りるにしたがって、
非日常的な場所に降りていけます。

陽が落ちる海際で、
今日も石窯で焼くお菓子やピザを用意して待ってます。
週末なのに忙しいという人は
何かと言い逃れをして海を見に来てください。

2013年9月27日金曜日

イタリア風サンドイッチ

昨日は幡豆の友引市で出店するパニーニを試作したところ、
挟むものは決まりましたからいいです。
トマト、レタス、モッツァレラにタマネギ、
豆腐マヨネーズとバジルソースに胡椒。

問題は商品名だ、ということになりました。
「パニーニ」でいいのか?
幡豆のおじいさんおばあさんにパニーニですと言ってたら、
「なんだんほや私ゃええわまー」ということにならないか?

そこをパニーニで押し通していいものかどうか。
そもそもぼくだって「パニーニ」という単語を聞いたのは
かなり昔だと思いますけど、
今日本で定着しているのかどうかよく分かりません。

定着していないからといって死語だ、とも言えません。
流行語ではなくてちゃんと食べ物を指す言葉ですから。
オーシャン内で調査したデータによると、
半数以上が「パニーニってなんだん」という結果が出ました。

「え、知らないんですか?パニーニっていうのはですね、
ほらあれですよ、えーと、あれ」
とそこで、
ぼくもパニーニの厳密な意味が分からないことに気付きました。

パニーニとはネット辞書によると、
イタリア語でサンドイッチという意味です。
ただパニーニというのは複数形で、
単数を指すなら「パニーノ」になるということが分かりました。

「じゃもう『イタリア風サンドイッチ』でいいんじゃないか?」
という声が上がりました。
おじいさんおばあさんもきっとそのほうが
テンション上がるんじゃないか、と。
「なんだんほや、イタリア風だげな」
と言って手に取ってもらえるのではないか、と。

これが代官山や表参道だったりしたら、
パニーニで何の問題もないでしょう。
むしろパニーニでも弱い気がします。
『ナポリ直送ボッコンチ―二とパルマ産プロシュットを挟んだパニーノ』
ぐらい言わないと振り向いてくれなさそうです。
たぶん「イタリア風」なんてうさん臭くて、
インド人の露天商だって使わないでしょう。

しかしここは幡豆ですから。
イタリア風と言ったほうが
ハイカラなイメージが出てきます(たぶん)。

そういうわけで、
友引市では『イタリア風サンドイッチ』でいこうと思います。

2013年9月26日木曜日

友引市は石窯パニーニ

今週の日曜日は幡豆の友引市があります。
〈春の友引市〉と〈秋の友引市〉と年に二回あるんですけど、
数年前からオーシャンも出店しています。
客層は地元の人たちが大多数です。
おじいさんおばあさんで賑わっていて、
地元で根付いている感じが伝わってくるイベントです。

何が楽しいかって、
尊皇の蔵開きがありますから、
酒好きには最高です。
蔵の外には七輪をたくさん並べて、
それで好きなものを勝手に焼いていいよというスタイルで、
みんな自分で買ったスルメやハンペンを焼いたりして、
それをつまみに尊皇の酒を飲んでいる人がたくさんいます。

もしぼくが休みだったら、
確実にその中の酔っぱらいのオッサンに混じってるはずなんですけど、
酒の代わりに悔し涙を飲んで仕事をします。
出店では石窯で焼くパニーニを出します。

サントルチオの新鮮なモッツァレラチーズに、
トマトと野菜を挟んだイタリアンなサンドイッチ。
これを作ります。
今日はその試作をします。

酒好きの人にかぎらず、
地元で椿油を搾る人や、
和菓子屋さん、雑貨屋さん、
色々楽しめる出店がありますから、
要チェックしてみてください。

それではみなさん、
ハバナイスデイ。

2013年9月25日水曜日

ネアポリスに行く

昨日はお客さんに勧められて、
豊橋市の[ネアポリス]という
ピッツェリアに行ってきました。

店主である綿引さんはイスキア島の[ガエターノ]で
修行されてきた方で、
ついこないだ自分もその異国の小さな島に行ったんだと思うと、
勝手に親近感が湧いてきました。

ピッツァははじめて食べる感じのスタイルで、
生地がサクサクしつつ弾力があるのがおいしかったです。
オイルとチーズの加減は重くないのがいいです。
勉強になりました。

今日は良い天気になりそうです。
休みに出かけて刺激があると、
自分の仕事を客観的に考える目線がちょっとの間持てます。
久しぶりに、良いお出かけでした。

2013年9月24日火曜日

たまに家から出る

仕事で忙しかったり日常でバタバタしているほうが、
時間がないのに書くことが出てきたりします。
休日に好きなことをやって満喫していると、
ヒマな時間があって思う存分没頭できると思うのに、
ブログには書くことがあんまりない。

葛藤、悩み、挫折、くじける心、不安、焦燥とか、
そういうあらゆる味わいたくない問題に直面することが
だいたいネタになってると思うんですけど。
だけど休日だと好きなことしかしないから
そういう問題に直面しない。
ネタも欲しいけど、
味わいたくないことはやっぱり味わいたくない。
アジは痛くない、
ではなくて味わいたくない。
アジフライは食べたいけど、
苦渋は味わいたくない。

今日も休みです。
だけど今日はちょっと車で遠出をしますから、
問題に直面するパーセンテージがアップです。
日頃と違うこととか慣れていないことをすると、
いつもと勝手が違うから
うまくいかないことが色々出てくる。

道を間違うとか、
渋滞でイライラするとか、
長時間車のなかでどう楽しめるかとか、
そういう空間の中で充実感が得られると、
好きなことをくり返しているとき以上に
(ビールを飲んだり、映画を見たり)
自分やったぞ感が得られます。

だからたまに遠出はいいです。
休みは出かけましょう。

2013年9月23日月曜日

オイルフォンデュとただのせっかちの違い

最近は家で料理をしてないですけど、
ヒマだとたまにします。
家でやる料理の中でぼくが特に好きなのは、
アジフライです。

あの揚げたてのアジフライといったらもう……ないです。
揚げたてをあぶらとり紙に乗せて、
まだジクジクいっている油が落ちるのを少し待ってから、
すぐにソースとマヨネーズをかけて口に持っていく。
いや、間違えました。
マヨネーズ、ソースの順番でお願いします。

少しでもサクサク感を維持するために、
ソースは衣が吸収しすぎてしまうから、
マヨネーズで保護するようにしてあげてください。
マヨネーズの凹凸にソースが溜まってる状態、
これを理想とぼくは考えております。

しかし、ただサクサクにしたいだけなら、
そこまで気を使わなくてもいいです。
普通に揚げて、
食卓のキャベツが載った皿に盛っていただきますと言って、
それで食べても十分サクサクです。

それに加えてぼくはアツアツであってもらいたい。
アツアツのアジフライの中身がどうなっているか。
中身がトロトロです。
アジの身と、そこから出た身の油と、
まだ落ちきっていない揚げ油が渾然一体となり
トロトロ状態となっています。
(この揚げ油感がイヤなものにならないように、
米油とかひまわり油とか、
良い揚げ油を使いましょう)

ということで、
サクサクかつアツアツを保ったまま口に運ぶこと。
これがフライもの一から十の心得です。
ぼくはこれを極限まで押し進め、
フライをするときはキッチンコンロの上に
ご飯とビールを用意するようにしました。

コンロの横にはあぶらとり紙を敷いた皿を置いて、
すくい上げたアジを五秒ほど油が落ちるまで待って、
そこにダイレクトにマヨネーズとソースをかけちゃいます。
最低五秒は待たないと火傷は必須です。
(ぼくはこれが待てず何回も火傷している)

そういえば、このトロトロアジフライを目指すために、
アジは揚げるちょっと前にさばいてもらったのを選びましょう。
そのためには魚屋さんに行かないといけない。
さばいて時間が経ったのは乾燥してアジエキスが抜けてしまいます。

でも何ですかね。
オイルフォンデュというお洒落料理がありますけど、
ぼくがやってることは、そういうことじゃないですか。
でも何か、キッチンコンロの上にご飯とビールを並べて
食べるのはお洒落に見えないですよね。
おかしいな。

2013年9月22日日曜日

サンデーモーニング

今日は日曜日、ヨガの日です。
朝六時に起きてお店の掃除に行ってきました。

昨日は八〇人の貸切り結婚パーティーがあって、
どんちゃん騒ぎとはこういうことかと思うぐらいの
にぎやかなお祭りでした。
参加者の木こりの方が巨木の男根を持ってきまして、
軽トラに積んだ和太鼓を叩きながら、
みんなで男根神輿を担いで祝うというのが締めでした。

ヨガの日は参加する人が気持ち良いだけでなく、
スタッフも清々しい日になります。
店内全体を使ってヨガをしますから、
当然床掃除をみっちりしないといけない。

で、こういうヨガの日が無ければ、
床掃除ももうちょっと省略されると思う。
「床で寝転ぶ仕様」ではなくて、
「テーブルに腰掛ける仕様」としての掃除になる。

「テーブルに腰掛ける仕様」としては、
掃除機をかけたり、
モップ掛けをしたりであるていど十分です。
でも「床で寝転ぶ仕様」になると今度は
雑巾掛けまでいかなきゃ床に寝転びたくない。

だからオーシャンでは週に二回雑巾掛けがあります。
ヨガの日がなければきっと
こんなにマメにはやらなかったと思うので、
良い習慣になりました。

一休さんの時代から変わらないスタイルで、
雑巾を両手で持って膝を浮かせた
「へ」の字体形で一直線にダーッと走ります。
音楽はmaroon5の『Sunday Morning』をかけると
より気持ちのいい雑巾掛けができます。

雑巾掛けをしたら、
海岸沿いの道が汚れてないか歩きます。
外で飲んでる人もたくさんいたので、
ゴミがあるかと思ったらほとんど落ちてなかったです。

シャンパンのコルクが一個と、
道路の縁石にジョッキを一個見つけただけです。
いいですねこの待ってる感じが。
「飲みかけのビールジョッキ」が朝まで主人を待っている風で、
よしよしと言ってやりたくなりました。

掃除が終わって一回帰って、
コーヒーを飲んでブログを書いてます。
それではみなさんも、
良いサンデーモーニングを。

2013年9月21日土曜日

包み焼きモーニング

今日はカフェのほうは貸切りとなりまして、
モーニングはピッツェリアのほうで、
スコーンや包み焼きピッツァを用意しています。

あつあつのスコーン、
それと朝限定あつあつの包み焼きピッツァ、
あつあつコーヒーと共に、
涼しい秋風に吹かれてもあつあつ。
本日のモーニングは、
包み隠さず言うとあつあつです。

2013年9月20日金曜日

強気な看板

お客さんがピッツェリアの看板を見てこう言いました。
「強気な営業スタイルですね、
『食うのか、それとも去るのか』なんて」

いや、そうじゃありません。
「EAT and GO」は、
食べてもいけますしお持ち帰りもできます、
っていうことです。

でも、強気な看板、いいですね。


2013年9月19日木曜日

昼寝日和

木曜日はヨガの日です。
みなさんヨガしてますか?
ヨガマットに埃が積もってませんか?
まさかそんなことないと思いますけど、
ヨガマットをピクニックシートにしたり、
台所のキッチンマットの滑り止めにしたりなんてことは
ないですよね?

ぼくのヨガマットの使い道はもっぱら、
昼寝用のマットです。
昼ご飯を食べて夕方前にヒマになると、
必ず眠気がやってきます。

スタッフルームに行って、
靴と靴下を脱いでエプロンを取り、
ヨガマットをパッと広げて横になる。
それで十五分ぐらい目をつむる。

ちょっとだけ寝れるときもあれば、
目をつむってぼやっとしているうちに
時間が経ってしまうこともありますけど、
これだけで体が復活して午後を楽に乗り切れる気がします。

今日は昼寝日和です。
朝だけどもう昼寝がしたいです。

2013年9月18日水曜日

あぐらをかく

忙しいときは何かを手放さないといけない。
でも今度は、忙しくなくなったら、
手放したものを取り返しにいかないと、
ただのなまけものになってしまう。

ピッツェリアが七月にはじまりまして、
それからぼくはしばらく付きっきりになっています。
ピザ担当なので、付きっきりじゃなきゃ問題ですけど。
ただ、付きっきりだからといって、
自分の仕事の上にあぐらをかいてはいけないな、
と思いました。

何でそう思ったかというと、
最近カフェのほうで、
畑チームの宮本さんにダジャレの神が降りてきている、
と聞いたからです。

カフェのほうには朝、畑から野菜がたくさん届き、
宮本さんはナスやキュウリなどを洗いながら、
神憑ったダジャレを口走っているそうなのです。

「◯◯が面白いことを言っている」
という話しを聞いて、
「ふーんよかったね」
と思う人はきっと、
この、ぼくの居ても立っても居られない気持ちなんて
これっぽっちも分からないでしょう。
(ぼくの気持ちを分かったところで得はないですけど)

「◯◯が面白いことを言っている」
「◯◯が変なことをしてるぞ」
そういうとき、真っ先にぼくに教えて頂きたい。
回転途中のピザをウチのバーテンダーの頭に被せてでも、
ぼくは走ってかけつけたいと思います。

何でか?
何でそんなに人のことを気にしてるのか?
いや、違うんです。
ぼくは「あぐらをかいて何かをする」
ということがイヤなんだと、気付きました昨日。

あぐらをかくほどの権力を手にしていないにもかかわらず、
あぐらをかく感覚があるのは、
自分がピッツェリアで忙しくなって、
手放したものがあるからです。
手放したものが何かというと、秘密です。

でもその中の一つが、
「◯◯が面白いことを言っている」と聞いて、
その場にすぐ駆けつけたいと思う好奇心です。
他の人への好奇心。

それがぼくに新しいことや知らなかったことを
学ばせてくれたり気を晴らしてくれたものだったのに、
忙しいといって手放していた。
あーもったいない。
もったいないですよね?面白いダジャレを聞きそびれることは。

2013年9月17日火曜日

掃除日和

風邪と時差ボケと、たぶん低気圧による頭痛が、
3日間続いてやっとよくなってきました。
頭痛がないと世界が希望で輝いているように見えますね。
単純ですけど。
おまけに台風が過ぎて暑い空気を吹っ飛ばしてくれて、
なおのこと清々しいですね。
あと僕に足らないものといったらビールと、
カロリー高めの食べ物と、
美女を数人と、
金と名誉と権力ぐらいです。

嵐の過ぎ去った傷跡の修復を今朝はします。
この機会に僕は掃除のプロになりたいと思います。
床磨き、
厨房機器磨き、
食器磨き、
ここら辺のことを気持ちを新たにやっていこうと思います。
金と名誉と権力のために。

2013年9月16日月曜日

リンカーン原体験

『リンカーン』を見ました。
リンカーンってカッコいいなーと思って見てたんですけど、
この俳優であるダニエル・デイ=ルイスという人は、
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
という映画にも出ていてその役も印象的でした。

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』では
イカれたうえに薄情で強欲なオッサンだったのに、
『リンカーン』ではそれと正反対な
情が深くて正義を貫くオッサンでした。

登場人物がすごいと思える映画は
見てよかったと思える映画です。
「リンカーンはきっとこんな動きをしそうだ」
と自分が想像していたような動きを役者がすると、
「そうそうリンカーンはこういう人なんだ」
という感じで共感を覚える。

のっそりとしていて、
人の肩をバシッと叩く力強さがあって、
背が高いのに上目遣いだから猫背になる姿勢と、
そしてちょっと悲しげな視線。

でもよく考えたら、
自分はリンカーンについて勉強したこともなければ、
知識なんてまったくないんだから、
そんな「リンカーンの印象」をどこで植え付けられたんだ?

それとも、自分が想像したり共感を覚えたりといった感覚は、
実はそれは勘違いで、
映画を見ているうちにその役者が演じるリンカーン像のことを
「本物のリンカーン」として見ていたかもしれない。

「演じられたリンカーン」なのに、
ぼくにとっていつの間にか「本物のリンカーン」になっていた。
それをあたかも、
「そうそうリンカーンはこういう人なんだ」
と自分が昔からこの人のことを知っている感覚になるのかも。
実は今まさに、リアルタイムで自分の中に、
リンカーン像が形成されているとも知らずに。

ちょっと前にラジオで三谷幸喜が清水ミチコにこう言ってました。
「『華麗なるギャツビー』を見たんだけど、どうも変だった。
やっぱギャツビーはロバート・レッドフォードじゃなきゃ。
デカプリオじゃちょっと、若造だな、と思いますね」

きっと歴史人物もこういう感覚と同じですよね。
自分にとって歴史人物は映像や物語の記憶でしかないから、
その中でいちばん鮮明なイメージが記憶に残る。

三谷幸喜にとってギャツビーはロバート・レッドフォードだし、
それを見ていない人にとってはデカプリオで。
ぼくにとってギャツビーは小説からイメージした、
カッコよくて切ない人物像がある。

そういう体験を与える役者とか物語が、
「面白い作品」の基準の一つになるんですかね。

ぼくは遠回しに考えて、
やっと書きたいことが分かりました。
『リンカーン』は俳優がよかった。
ダニエル・デイ=ルイスという人がよかった。
これからリンカーンという人物を頭に描くとき、
この人の演じたリンカーンを思い出しそうです。

2013年9月15日日曜日

茶漬け主導の一日

今日は石窯ピッツェリアはお休みしていますが、
カフェのほうは通常営業しています。
そしてぼくは低気圧のせいか頭痛がひどいです。
頭痛がするときにブログは書くものじゃないです。
でも台風の風がなかなか気持ちいいです。
ぼくが住んでいる家は平屋で、
各部屋の窓を全開にしているので、
風で雑誌がバラバラ散らばり、
たたんだ服も飛ばされています。
今日は法事の引き出物でもらった鮭茶漬けを食べました。
お茶漬けのためにご飯を炊いたのははじめてです。
台風に、
お茶漬けを食べ、
部屋荒れる。
今日の一日を五七五にするとそんな感じです。

2013年9月14日土曜日

カボチャコレクション

野菜で空間を演出する畑チームのイサムシくんが
今度はオーシャンを、
カボチャ・デコレートしてくれました。
たぶん、その中には見たことのない品種のカボチャを
何個も発見できると思います。
オーシャンのカボチャコレクション、
この秋ぜひ見に来てください。
※料理で使って行くので、
ちょっとずつ減って行きます。

そんなイサムシくんに今後の展望を伺うと、
「カボチャマンになろうと思って」
と言って、
大きなカボチャをくり抜いて天日干ししていました。
良い感じに乾いたらくり抜いて被るそうです。



2013年9月13日金曜日

時差ぼけ営業

昨日から石窯ピッツェリアは通常営業しております。
しかし、肉体というか体はまだ通常営業していません。
体は時差ぼけ営業しています。
体が感じる時間と、
現実の時間が合わない。

夜中なのに体がゴールデンタイムだったり、
朝目覚まし無しで起きれていたのが寝過ごしたりして、
日常に戻ったのにまだ微妙に変な日常で、
困ります。
「しゃきっとしてよ」文句を言いたいんですけど、
時差ぼけって誰に文句を言ったらいいんですかね?
ゼブン?

時差ぼけの被害は笑って見過ごせるほど、
経済的・精神的被害の軽いものではありません。

今回のぼくの旅行の場合、
まず行きのナポリが朝発だったので、
普通に朝起きて行きますよね。
でも飛行機に乗って機内食を食べたら電気を消されます。
「どうぞお休みください」と。

実際その時間は日本にいる間は真っ昼間です。
丁度、体は今からがんばるモードになる時間です。
それなのに「どうぞ休んでいいですよ」と言われる。
肩すかしです。

そして帰るときは夜発でした。
一日歩き回った後ですからけっこう寝れます。
そこまではいいです。
しかし日本に到着してみるとまだ夜がはじまったばかりです。
家に帰ったらもう一回寝なきゃいけない。

また体に「どうぞ休んでいいですよ」と
指令を送らないといけない。
たぶんその辺りで体がデモを起こすんだと思います。
「民衆(体)に仕事を与えよ!」と。

一度、一揆を起こした民衆(体)を沈静化するのは大変です。
「まあまあ、これから忙しくなるから」
と言っても信用してもらえません。
長期交渉にならないといいですけど。

2013年9月11日水曜日

ナポリのトイレ事情

ナポリの七不思議の一つで、
「トイレに入っても便座が無い」
 ということを度々経験しました。
あの、U字形とかO字形とかの
パタンパタンする便座が、無い。

更に言えば、便座だけではなく蓋も無い。
つまり桶しかない。
フッションとか携帯電話とか車とかで
「装飾を削り取ったシンプルな機能美」
みたいなことを言ったりしますけど、
便器に関して言えば、
これは削り取ってはいけないだろう、と思う。

最悪、蓋は無くてもいいです。
だけど便座は必須である、と思う。
便座がないトイレはどうやって使ったらいいのか?
選択肢は三つだと思う。

①桶に直座り
②中腰になって空気椅子
③桶にまたがって和式スタイル

まず①。
これはよっぽどお尻が大きくなければ不可能です。
大柄なイタリア人ならともかく、
小柄な日本人のお尻では幅が足りずはまってしまうでしょう。
でもそれでは子供は使えません。

それじゃ②か。
②の問題は①とは反対に、
大柄であることが問題になる。
重量級の人が中腰になって自分の体重を持ちこたえれるだろうか。
もしつんのめったりしてしまうと、
最悪、そのまま壁を突き破って外に転がり出てしまう。
引っくり返った場合、
最悪、便器ごと床を突き破ってしまわないともかぎらない。

ってことは③か。
だけどイタリア人が和式スタイルでしているとは
考えられない。

最悪(最悪ばっかり述べてすいません)、大は我慢すればいいです。
泊まっているホテルに帰ってすれば。
(ホテルにはあるべき便座がしかるべき場所に付属していました)
小をしている間は便座の開け閉めがない分、
むしろ手っ取り早いです。

しかしそれは男目線の話しです。
女子のことになると話しは変わります。
「大は小を兼ねる」という諺があるように、
女子は大も小も同じ体勢を兼ねているでしょう。
(諺の使い方は間違ってますけど)

そこで僕はイタリアにいる間、
女子にその疑問を訊ねてみようと思ってました。
何度か聞くチャンスはありました。
でも、いざその場になって聞こうと思うと、
どうやって聞いたらいいか分からず躊躇してしまいました。

「トイレするときどんな体勢でしてるのかな?」
とストレートに聞けばいいのか。
それとも
「用を足す際、御自身の臀部はどの位置に据えているのでしょうか」
と丁寧風に聞けばいいのか。

結局そんなこんなで一人悶々としているうちに
聞くタイミングを逃してしまいました。

僭越ながら僕の経験を述べさせて頂くと、
中腰でいかしてもらいました。
足を踏み込む筋力を入れやすくて、
けっこうしやすかったです。

今思ったんですけど、
アメリカのトイレは常に鍵がかかっていて、
店員に鍵を借りて用を足すスタイルです。
もしかしたらナポリでは店員に言うと
ストラップか何かで壁に引っ掛けてある便座を渡してくれるとか。

2013年9月6日金曜日

微笑み交流

言葉があんまり通じない国では
会話が出来ない分、
視線とか表情のやり取りが多くなります。
異文化の人たちですから、
“ほくは敵ではない”ということを伝達したい。

だいたいは、
相手がよっぽど不機嫌でなければ、
自然に受け止めてくれる。
ニコリと微笑めば、
相手も微笑み返してくれる。

だからといって、
いやだからこそ、
相手がカワイイ女の子であっても
カッコイイ男であっても、
“あ、あの人は自分に興味があるのかも”
なんて浮かれてはいけない。

一回目の微笑み交流に成功したなら、
二回目の微笑み交流の確率は
50%に半減すると思ったほうがいい。
三回目なんかになるとまた更に半減する。
倍倍ゲームで半減です。

相手が異性ならまだいいです。
たとえば、海外旅行で淋しいからって
女の子に何度も微笑んでいたら、
“何この人?気持ち悪いわ”
と無視されるでしょう。

しかし実は、気を付けないといけないのは同性です。
夜に一人レストランで一杯やって帰る場面を
想像してみてください。
ビアプリーズとウェイターに注文して
ニコリと微笑む。
ウェイターもニコリと返してくれる。
ニコリニコリというやり取りが二回三回と続く。

倍倍ゲームです。
しかしこっちの倍々ゲームは50%増減のほうです。
最初にウェイターが気さくに腕を叩いてきてニコッ、
次に親しく尻を叩かれてニコッ、
三度目に肩を組まれてニコッとした後、
あなたはその勢いで筋肉質のウェイターに
唇を奪われることでしょう。

“海外において淋しいからって、
笑顔の安売りは禁物である”

と、ナポリのピッツェリアで
ピチピチの半ズボンにシャツの
男らしい店員に微笑まれて、
ぼくは危機感を募らせました。

ナポリのカオス

「ナポリはカオスだ」
と、ナポリに着いた時にタクシーの運転手が言ってましたけど、
その忠告通り、
カオスにはまりました。

「すべての道は繋がっている」
という格言がありますけど、
ナポリは違いました。

軽い気持ちで散歩に出掛けて、
3時間下町をさまようことになりました。

上がり下りの坂、
断崖のようなアパートに挟まれた細い路地、
うねりくねり、
突き当たり。

とにかく突き当たります。
近道しようと思うと突き当たり、
一周しようと思うと突き当たる。
そうやって突き当たってるうちに、
自分は断崖のアパートに挟まれているので、
地上というより地下を歩いている感覚になります。

上を見上げても、
小さな空とたくさんの洗濯物が見えるだけ。
それで段々方角を見失ってきます。
海がどっちだか分からなくなって、
また突き当たり、
どんどんカオスの深みにはまって、
焦ってくる。

人に聞けばすぐに分かるのに、
いや、おれは抜け出れる、と思って聞かない。
自分の力でこのカオスから抜け出るのだ、と思った。
でも諦めました。
ムリだ。ぼくは諦めが早いほうです。
路地の店の人に聞いたらすぐ戻れました。

泊まってるホステルの近くには猫がたくさんいます。



2013年9月3日火曜日

ローマの解体工事

夜中の二時に解体工事がはじまって、
ビックリして目が覚めた。

一時間ぐらいコンクリートを破壊する音が続いて、
工事が終わるとイタリア人たちの楽しげなお喋りがはじまった。
かなり陽気な笑い声が、
涼しい風と共に窓から入ってくる。

朝早く準備をはじめたいと思っていたので、
ちょうど良く起こされた感じです。
四人部屋にいるアメリカ人とイタリア人は
ぐっすりイビキをかいて寝てますけど、
神経質そうなフランス人は迷惑そうに寝返りを打ってます。

僕は寝て起きるとお腹が空くという体質で、
そうなるともう寝れません。
ローマの陽が昇る前に、
朝食を探しに行こうと思います。

2013年9月2日月曜日

ナポリ携行品

旅行は本選びに時間がかかります。
どんな本を持って行くかによって、
旅行中の気分はだいぶ違うと思います。

たとえば、
パリの風を感じようと思ってランボーの詩集なんか持って行くと、
あの灰色の空みたいに憂鬱になります。

ラスベガスに村上春樹の組み合わせも悪いです。
せっかくカジノがあるのに「ヤレヤレ」という気分になって、
大胆なベットができなくなります。

旅行と本の良い組み合わせを見つけるのは難しいです。
でも僕は今日のナポリ行きに供えて、
ホテルを取るより航空券を取るよりも先に、
持って行く本を選びました。

今回はこれです。
東海林さだお四冊、内田百閒を一冊。
『タコの丸かじり』
『キャベツの丸かじり』
『トンカツの丸かじり』
『ショージ君のぐうたら旅行:2』
『阿房列車』

旅行中に本を読み終わってしまうことが心配で、
いつもつい持って行きすぎがちです。
しかし、そんな心配も今の僕にはありません。
これらの本は内田百閒を除いてすべてKindleです、ふっふっふ。
買ってからほとんど使っていないKindleが
とうとう活躍します。

内田百閒はKindleの電池が消えたときの、
保険を兼ねています。

ナポリと東海林さだお、合うと思いませんか?
「ナポリを見てから死ね」と
「さだおを読んでから死ね」は、
同じレベルぐらいじゃないですか。

2013年9月1日日曜日

明日からナポリ

明日から一週間ナポリに行ってきます。
僕のピザ先生がピッツァ選手権に出るので、
その見学と「Napoli Pizza Village」というお祭りに
遊びにいきます。
間違えました、研修のため勉強しにいきます。
(ほとんど遊びですけどね、コソコソ)

僕が行くことは最近決まった話しで、
「周りの人にイタリアに行ってくればー?」
と言われて、
「そうか、それも良い考えだ」
と思って行くことにしました。

最近の僕自信の傾向は、
自分で何かを追い求めるよりは、
人に勧められてからそのことを考えはじめるという
自発的とは逆で他発的に動くことが多いです。

ともかく、ナポリ旅行の間、
ブログの更新はなるべくしたいので、
時間はズレるかもしれないですけど
よかったら読んでください。

それとカフェ・オーシャンのFacebookのページでは、
「本場のナポリピッツァレポート」というタイトルで、
ノートを更新していくのでそっちもよかったら見てください。

ピッツァヴィレッジにはピザ屋が四〇件出店するそうです。
何件分のピザを食べれるんだろう。