「人間は成長しない、太るだけだ」
「あら、哲学者なのね?」
「おれは太ってないぜ。全身岩のような筋肉だ。
この腕で相手の尻尾をねじ上げる私立探偵だ」
(『ディボース・ショウ』ガス・ペッチより)
「自分は成長できる」と夢を見れるとき、
何か新しいことをやってみようという気持ちになれる。
反対に、そう思うことがなかったら、
できないことを求めてジタバタせずに済む。
たとえば、僕がピザ職人なら、
自分よりピザ作りの上手い人を見て、
「自分はもっとうまくなってやろう」とか、
「この人にはできない技を習得しよう」とか、
何か変化を起こそうという気持ちになる。
それとは反対に、
自分には自分のペースがあって、
求めるものを手に入れに行こうとする前のめりさに
批判的になることもある。
たとえば僕が、恋をしてる人だったら、
恋心から普段以上の自分を演じようとする。
面白いことを言おうとしたり、
気の利いたとこを見せようとしたりする。
そういうのはよく「空回り」と言ったりする。
空回りをしているときは、
自分が能力以上のものを出そうとしている。
「今おれは良い感じだ」と勘違いしてしまう。
いつからおれはこんな細かいとこまで気が回るようになったんだ?
彼女は絶対おれに気があるぞ、などなど。
情熱と冷笑。
どっちかがあるときどっちかが無くなる。
辛い冷麺みたいに両方持ちたいです。
いちばんイヤなのは辛くないキムチみたいに、
両方無いときです。
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