昨日は安城の料理教室に行ってきました。
年に四、五回行われるだけのクラスなんですけど、
その内容の濃さは超非日常です。
七十も後半のおばあさんが先生で、
動きはもうだいぶヨタヨタしてます。
飾り用のキュウリに包丁で細工を入れるときも、
手に持った包丁が小刻みに震えて、
「ちょっと手ぇ切っちゃうじゃないすかぁ!?」と言いたくなる。
でもそのプルプル揺れる包丁を動かしてると、
みるみるうちに繊細な切れ目が入っていく。
それから眼の光具合と、同時に複数の質問を聴きとる耳がすごい。
先生から離れたところで馬毛の裏漉し器を使っていると、
「木べらもっと立てて!」
と指摘を受けつつ、
先生自身は両脇にいる生徒に指導している。
「小さじ五分の三はこう!」
「鍋、灰汁取って!」
生徒の数はだいたい八から九人ですけど、
のほほんとした空気はない。
ボーっと突っ立ってしまう人は僕ぐらいで、
みんなスピード感がある。
この教室に通っている六〇歳ぐらいの主婦の人は
「もうここに二〇年通ってるわ」とか、
「私はまだ初心者で5年よ」という人もいます。
いちばん長い主婦の人は二五年通っていると言ってました。
はあ? です。
なんだその単位は。
前回は懐石料理でした
昨日は中国料理です。
例外のないのは、
毎回フルコースだということです。
『中国料理(現代香港風)』
[小皿〕
①甘エビの紹興酒漬け
②ピータンとチーズ
③フォアグラの薫製
④鯛のさしみ野菜添え
⑤アボカドのスープ
[大皿]
⑥あわびのオイスターソース煮
⑦干貝柱と白菜のスープ煮
⑧うなぎの桂花ソースかけ
⑨牛肉のチリソースかけ
⑩ザーサイ入りスープご飯
[デザート]
⑪マンゴーのとろとろ風味
⑫牛乳の衣揚げ
今日のブログはこれで終わりです。
というぐらい字数が稼げるメニュー表です。
昨日はクラスが十時からはじまって、
三時近くにやっと食べることができました。
これらの料理の食材は授業がはじまる直前に、
色んな業者から届けられる。
活きのいいアワビが、
その日の朝にさばかれたウナギがやってくる。
ピータンは横浜の中華街からやってきて、
鶏ガラは内臓を取り出すとこからはじまる。
僕は「うなぎの桂花ソースかけ」の担当に立候補しました。
うなぎのぬめりを取って頭を落とし、
身をぶつ切りにして肝の美味くない部分をもぎ取る。
陳皮とか五香粉をからめて片栗粉で揚げる。
桂花陳酒と桂花醤でソースを作る。
桂花はキンモクセイで、甘いソースです。
授業の密度がかなり濃いです。
他の料理も気になるんですけど、
手の空いたときに手伝う感じで、
基本的には一人一品です。
十年二十年通う人がいるわけです。
すごい教室です。
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