2013年6月11日火曜日

フルコース料理教室

昨日は安城の料理教室に行ってきました。
年に四、五回行われるだけのクラスなんですけど、
その内容の濃さは超非日常です。

七十も後半のおばあさんが先生で、
動きはもうだいぶヨタヨタしてます。
飾り用のキュウリに包丁で細工を入れるときも、
手に持った包丁が小刻みに震えて、
「ちょっと手ぇ切っちゃうじゃないすかぁ!?」と言いたくなる。
でもそのプルプル揺れる包丁を動かしてると、
みるみるうちに繊細な切れ目が入っていく。

それから眼の光具合と、同時に複数の質問を聴きとる耳がすごい。
先生から離れたところで馬毛の裏漉し器を使っていると、
「木べらもっと立てて!」
と指摘を受けつつ、
先生自身は両脇にいる生徒に指導している。
「小さじ五分の三はこう!」
「鍋、灰汁取って!」

生徒の数はだいたい八から九人ですけど、
のほほんとした空気はない。
ボーっと突っ立ってしまう人は僕ぐらいで、
みんなスピード感がある。

この教室に通っている六〇歳ぐらいの主婦の人は
「もうここに二〇年通ってるわ」とか、
「私はまだ初心者で5年よ」という人もいます。
いちばん長い主婦の人は二五年通っていると言ってました。
はあ? です。
なんだその単位は。

前回は懐石料理でした
昨日は中国料理です。
例外のないのは、
毎回フルコースだということです。

『中国料理(現代香港風)』
[小皿〕
①甘エビの紹興酒漬け
②ピータンとチーズ
③フォアグラの薫製
④鯛のさしみ野菜添え
⑤アボカドのスープ
[大皿]
⑥あわびのオイスターソース煮
⑦干貝柱と白菜のスープ煮
⑧うなぎの桂花ソースかけ
⑨牛肉のチリソースかけ
⑩ザーサイ入りスープご飯
[デザート]
⑪マンゴーのとろとろ風味
⑫牛乳の衣揚げ

今日のブログはこれで終わりです。
というぐらい字数が稼げるメニュー表です。

昨日はクラスが十時からはじまって、
三時近くにやっと食べることができました。
これらの料理の食材は授業がはじまる直前に、
色んな業者から届けられる。

活きのいいアワビが、
その日の朝にさばかれたウナギがやってくる。
ピータンは横浜の中華街からやってきて、
鶏ガラは内臓を取り出すとこからはじまる。

僕は「うなぎの桂花ソースかけ」の担当に立候補しました。
うなぎのぬめりを取って頭を落とし、
身をぶつ切りにして肝の美味くない部分をもぎ取る。
陳皮とか五香粉をからめて片栗粉で揚げる。
桂花陳酒と桂花醤でソースを作る。
桂花はキンモクセイで、甘いソースです。

授業の密度がかなり濃いです。
他の料理も気になるんですけど、
手の空いたときに手伝う感じで、
基本的には一人一品です。
十年二十年通う人がいるわけです。

すごい教室です。

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