2013年5月6日月曜日

夜はリビングに

好きな人と別れてそれまで二人で暮らしていた家に
一人でいて寂しくなるときがある。
あるいは、好きな人が遠出して、
一人で家で留守番をしないといけないときがある。

MくんとMちゃんという30歳も過ぎた二人は、
そういう寂しい夜を過ごすときどうするかというと、
普段寝ている寝室からリビングに
蒲団を引っ張っていって寝るそうです。

「二人でいることに慣れた寝室」
響きもかなり切ないです。
Mくんは洋間にベッド、
Mちゃんは和室に蒲団、
二人とも寝室には物があまりないそうです。

そんな物の無い部屋からいつもいた〈あの人〉、
幅四〇センチ弱、高さ一六〇センチ前後、
その空間がぽっかり空いてしまったことで、
不在を感じる。

そのぽっかり空いた空間は、
はじめは寂しさで埋められる。
その後、思い出に変わるにしても、
はじめは等身大の寂しさが横たわってる。

MくんもMちゃんも、
寂しさと一緒に寝たくはない。
だから、リビングに蒲団を引っ張っていく。

リビングは物でごたごたしてる。
テレビとかペン立てとか、座椅子とかで。
それがいいと言う。
ぽっかり突然空いた空間は、
人は手で触れる実物で埋められない代わりに、
つい触れない寂しい気持ちで埋めてしまうから。

触ることができないから寂しい。
触れるものがごたごたしてるリビングに行けば、
そこは寂しさも入る余地がないようです。
定員で埋まった夜行バスみたいに。

朝起きたら楽しい場所に着いてるんだ、
という気持ちで寝れたら、
悪い夢も見そうにないですもんね。

今日は休みです。
僕は二日酔いです。
今日見た夢が悪い夢だったか良い夢だったか、
まったく覚えがない。

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