昨日はフットサルの火だった。
走り過ぎてふくらはぎから火が出た。
世の中には「おれは毎日ベストを尽くしていきたい」
というタイプの人間がいる。
僕のことだ。
そのベストを自負している当人は何を基準に、
自分がベストを尽くしているといえるんだろうか。
僕の場合、
走り過ぎてふくらはぎに火が点き、
肺からヒューヒュー変な空気が出てきて、
休憩して立ち上がるときに立ちくらみをしたら、
ここら辺でやめとこう、と思う。
足をツル前に後は流してやろう、と思う。
しかし足をツルまで走る男がいる。
オーシャンズの黒豹ことシバタだ。
50メートルを6秒切るスピードでシバタは走り過ぎて、
いつもゴールラインを飛び越して走り出てしまう。
もしコートの周りを囲むネットに受けてもらえなければ、
彼はそのまま夕暮れの彼方まで行ってしまうかもしれない。
案の定、体育館でやったとき、
シバタは壁に激突していった。
痛そうなのは壁のほうだった。
そして案の定、シバタは足をツル。
ベストを尽くすという言葉を体現したような男だ。
こういう男を見ていると、
自分のベストが何だか恥ずかしいものに思えてくる。
ふくらはぎにちょっと熱を持ってきはじめたら、
自分は足を気にしてセーブしてはいないか?
セーブしている。
ちょっと肺が苦しくなったら交替を望んでいないか?
交替を望む。
「ということはもしかしたら自分のベストは、
他の人からしたらそんなに大したベストじゃないかもしれん」
と僕は懸念する。
でも、しょうがないか。
シバタはシバタで僕は僕のベストがあれば、
自分のスケールを飛び出す場所を他でどっかに持ってれば、
わざわざ体育館の壁に体当たりすることを競う必要もないか。
僕は休憩する理由を探すことに、
ベストを尽くせるタイプかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿