2013年5月15日水曜日

ベストを尽くす

昨日はフットサルの火だった。
走り過ぎてふくらはぎから火が出た。

世の中には「おれは毎日ベストを尽くしていきたい」
というタイプの人間がいる。
僕のことだ。

そのベストを自負している当人は何を基準に、
自分がベストを尽くしているといえるんだろうか。
僕の場合、
走り過ぎてふくらはぎに火が点き、
肺からヒューヒュー変な空気が出てきて、
休憩して立ち上がるときに立ちくらみをしたら、
ここら辺でやめとこう、と思う。
足をツル前に後は流してやろう、と思う。

しかし足をツルまで走る男がいる。
オーシャンズの黒豹ことシバタだ。
50メートルを6秒切るスピードでシバタは走り過ぎて、
いつもゴールラインを飛び越して走り出てしまう。
もしコートの周りを囲むネットに受けてもらえなければ、
彼はそのまま夕暮れの彼方まで行ってしまうかもしれない。
案の定、体育館でやったとき、
シバタは壁に激突していった。
痛そうなのは壁のほうだった。
そして案の定、シバタは足をツル。
ベストを尽くすという言葉を体現したような男だ。

こういう男を見ていると、
自分のベストが何だか恥ずかしいものに思えてくる。
ふくらはぎにちょっと熱を持ってきはじめたら、
自分は足を気にしてセーブしてはいないか?
セーブしている。
ちょっと肺が苦しくなったら交替を望んでいないか?
交替を望む。

「ということはもしかしたら自分のベストは、
他の人からしたらそんなに大したベストじゃないかもしれん」
と僕は懸念する。
でも、しょうがないか。
シバタはシバタで僕は僕のベストがあれば、
自分のスケールを飛び出す場所を他でどっかに持ってれば、
わざわざ体育館の壁に体当たりすることを競う必要もないか。

僕は休憩する理由を探すことに、
ベストを尽くせるタイプかもしれない。

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