2013年4月8日月曜日

ブリダイコンの迂回

『美味しんぼ(25巻)』の〈画伯とブリ〉の章は、
スランプに陥った大御所の青木画伯が、
ブリの出汁が浸み込んだダイコンを食べて、
食べてもいないブリを思い出して復活する話です。

「なるほど……。
ブリそのものを見て食べるよりも、
その美味しさの神髄の浸み込んだ大根一切れの方が、
もっと生き生きと本物のブリの存在を感じさせる……。
具象より抽象の方がより写実的か……」

ブリダイコンを食べて、その場にない〈本物〉に近付ける。
青木画伯は本物のブリを食べる以上に〈本物〉を味わった。
でももしブリの味を知らなかったら、
ブリダイコンだってことにも気付かない。


今日は京都御所の一般公開に行ってきます。
今少しずつ読んでる『源氏物語』で
この界隈が語られていますけど、
行ったことのない場所でまったく想像できません。
ブリを知らずにブリダイコンを食べてるような状況です。

せっかくブリダイコンを食べるならブリを想像したい。
ブリダイコンを知らないブリ好きじゃ物足りないし、
ブリダイコンのうまさがブリによるものだということを
知らないのももったいない気がする。

でもいちばんは、ブリとダイコン一緒に食べたい。
ご飯がいちばん進みそうですから。

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