2013年2月9日土曜日

職人はみんな頑固か

料理人といえば〈頑固者〉と相場が決まってます。
柔軟でオープンな性格なそば屋のお兄さんのそばよりも、
文句があるならうちの暖簾をくぐるなといわんばかりの
頑固なおやじのそばの方を食べてみたいと思う。

どっちが良いとかそういう話ではなく、
その〈頑固〉さについて僕は考えている。
料理人にかぎらず、
職人といわれる者は〈頑固〉でなんぼという世界なのか。

僕はペンキ屋で五年近く働いていたので、
現場の職人の頑固さはイヤというほど味わった。
現場の人たちの頑固さ加減にはほんとに腹が立った。
口悪いわ、挨拶を無視するわ、足臭いわ、屁ーこくわ、
手がでるわ、昼飯でビール飲むわで(それはたまに楽しかった)。
それらが頑固さと関係あるのか知りませんけど、
職人は人間界を隔てた冥界に住む人種なのだと思った。

でも昨日、僕は自分にも職人症状が出ていることにハッとしました。
ついこないだです。
料理の仕方で業界では割と一般的なことを僕は知らずに、
材料を切ったりしていた。
それがある画期的な方法で解決するとmonoさんに教わった。
僕にとっては目から鱗の大発見で、
自分の周りに言いふらした。
みんなの返事は僕が予想もしていないことでした。

僕「みんな知ってる? こういう方法があるんだよ!」
周囲一同「え、イッシン知らなかったの?
なんかこだわりがあってそうしてるのかと思った」

詳しい内容は恥ずかしいので言いたくないです。
一つ言えることは、僕が〈こだわり〉というものを
もっているように見えたということです。
青二才の僕に〈こだわり〉があったのか?

いつのまにか〈こだわり〉という名の、
誰にも口を出させないオーラーを出していたようです。
僕は現場の職人たちを見ていてイヤだなーと思っていた者に、
自分がなっていました。

で、話を戻すと、何で職人は頑固なのか?
たとえば料理人は性格的に頑固だから料理人になれたのか。
それとも料理をやりはじめたから頑固になったのか。
この問いかけは料理人にかぎらず職人すべてに置き換えれる。

僕はこうだと思う。
〈文句があるならうちの暖簾をくぐるなといわんばかりの
頑固なおやじのそばの方を食べてみたいと思う〉
という思いが僕の中にあるように、
職人の仕事をしている当人たちが自覚しているかどうかはともかく、
そういう〈頑固〉さを演出しているのだ。

・・・キマッた。
珍しく決め台詞をキメれた気がする。
今日はもうここら辺で墓穴を掘る前に終わっとこう。
さようなら。

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