2012年2月29日水曜日

腰の入らないバターケース

良いバターケースがなかなか見つからない。
「おれはこのバターケースが好きだー!」
というようなものにはこの一年ほど探しましたけど、
いまだ出会うことがありません。

探さなければならなくなったきっかけは、
ぼくがそれまで使っていたものを落として
割ってしまったからです。
ああ悲しい。
今思い出しても悲しい。

それはそれは良いバターケースでした。
和風でモダンだったんです。
形は屋形船みたいで、
なだらかな曲線があって、
竹の葉っぱの模様が散っていました。

じゃ割ってしまって
その間どうしているかといいますと、
「帝国ホテルマーガリン」の
プラスチックの空ケースを使っています。

でもプラスチックのケースだとどうも、
硬いバターを掬うには役不足です。
ステンのナイフでバターに切りこもうとするとき、
手前に力を入れると後方がもちあがり、
後方に力を入れると手前がもちあがる。

ならば真正面からだ!といくと、
横にすっ飛んでいっちゃいます。

土台がふらついています。

しかたないから上っ面をなでるぐらいにして、
少しずつ掬うしかありません。
ぜんぜん腰が入りません。
人間の腰がほんとに入ってたら困りますけど、
やっぱりバターケースは腰の据わったものにかぎります。

パン派朝食人にとってバターケースは、
日々接するものですから、
レンガぐらいしっかりしたやつがいいですね。
サイズもレンガぐらい大きいと、
二回とかに切り分けなくてもいいし。
レンガをくり抜いたらけっこう使えそうじゃないですか。
だれかレンガをバターケースにしてる人いませんか?


牧W一心

2012年2月28日火曜日

赤いK

ぼくはオーシャンに勤める前の一年間、
(2年前のことですけど}
車をもっていませんでした。

田舎では車が必須ですけど、
ぼくは通信学生でもあるし、
学生らしくいこうと自転車でとおしていました。
その代わり自転車は「TREK]のクロスバイクで、
良いものを選んで買いましたけど。

それがオーシャンで働きはじめると、
やっぱり車は必要になります。
西尾市の街中から幡豆の海まで自転車は、
たまにならともかく、
えらいこっちゃです。

そしてとうとう自前の車を買うことになりました。
早急に、安く、というのが条件でした。
すぐに見つかったのが彼女の同僚の子の車でした。
赤い軽です。

ぼくは車にこだわりはまったくなかったんですが、
「赤……か」と躊躇しました。
なんでも来いと思いつつ、
いざ赤い車でしかも軽がくると、
むむむと考えてしまったのです。

自分の先入観と、
世間と同じ一般的な考えで、
「女の子の車じゃん」という思いが湧いてくるのです。
でも、またすぐ次にこう思いました。
「自分は先入観と一般的なことに従うのか」
こうなるともうなかなか逆らわずにはいられません。

赤の軽どうぞカモン、
となりました。
いやむしろ人生に抵抗を与えてくれて、
ありがとうと言いたい。

いいじゃないか、
チェ・ゲバラみたいじゃないか、と。
革命家の魂の色で、
しかも頭文字の「K」じゃないか、と。
(そういう強引な解釈が、
ぼくの中ではたまに行われます)

そのときそれがチェじゃなくて、
毛沢東のおっさんを連想してたら
辞めてたかも分からないですけどね。


牧ウィリアム一心

2012年2月27日月曜日

焼き菓子のモーニング

・連日でしつこいですが、
またスコーン&マフィンのお話しです。
昨日もお店にはたくさん並んで、
たくさん注文をいただきました。
うれしいかぎりです。

昨日並んでたのは、
「シナモンバナナスコーン」
「ドライフルーツとナッツのスコーン」
「ピーナッツバターとチョコチップのスコーン」
「いちごとブルーベリーのマフィン」
「ティーマサラとくるみのマフィン」
というメニューでした。

色んな種類があると、
やっぱり選ぶのも楽しいですよね。

そしてまだメニューには載せてないのですけど、
土日のモーニングで、
好きな焼き菓子が選べるセットをはじめました。
どれでもドリンクとセットでナナシャクエンです。

・お店のとなりのハーブ畑がニョキニョキしてきました。
水菜やチンゲン菜がかわいくニョキっているので、
サラダが足りなくなってくると、
走って取りに行きます。

そうです。
オーシャンでは野菜が足りなくなったら、
畑で引っこ抜いてくるのです。

もう一つ、
オーシャンではスタッフの特典として、
野菜が欲しかったら自分で引っこ抜いて
もって帰れるのです。

すごくないですか?
「欲しいときに引っこ抜く」って。
大地が保存しておいてくれるんです。
当たり前な話しですけど、
でも当たり前に思えないことです。

ぴょこっと、
かわいい水菜っ子ちゃんを抜いたり、
チンゲンくんをちょん切ったりして、
元気なお皿の上に載ってくるわけです。

これからぐんぐん伸びてくるので、
かわいいなんていう余裕もなく、
シバかれますけどね。
シバかれる前に、
芝刈りしなきゃならんですけどね。

今日はお店は休みですけど、
畑チームは外で仕事をしています。


牧一心

2012年2月26日日曜日

おいしい焼き菓子

昨日もスコーンで今日もまたスコーンかと
あきれる人もいるかもしれませんが、
やっぱりスコーンです。
大胆不敵なスコーンです。

でもそれだけじゃ忍びないので、
今日はスコーンにマフィーンを、
いやマフィンを付けます。
粉々しくて申し訳ございません。
間違えました。
こざかしくて申し訳ございません。
というより細々しくて、
でしょうか?

オーシャンの焼き菓子はこだわってます。
玉子も牛乳もバターも、
使ってません。
使ってないものづくしです。

それでも数少ない原材料でも
粉にかんしては良い物を使ってます。
オーシャンの食材の多くが地元のものですが、
小麦粉は地元の無農薬のもので、
わっぱ」さんのものを使わしてもらってます。

「おいしくてからだに良いなんて、
シンジラレナーイ!」と、
うちのスタッフのおかちゃんは言っていました。
フェミニズム的意見として貴重なコメントだったので、
ここに引用させていただくしだいです。


牧一心

2012年2月25日土曜日

季節のメニュー

オーシャンの日替わりスコーンは
ちょくちょく変わるんですけど、
最近は「シナモンバナナスコーン」を出しています。

このスコーンは
場外ホームランの会心の一撃といってもいいぐらい、
良い出来です。

スコーンの口の中でもそもそする乾燥具合と、
熱帯雨林で育ったバナナの軟らかい感触がみごとに融合して、
喉から胃にかけてエキゾチックな旅行隊が
横断するといったかんじがあります。

「隊長、あの砂丘の先に見えるのはオアシスではありませんか?」
「なに、どれどれ……。いや、オアシスではないぞ、マホメッドくん。あれは探し求めていた幻のジャングルだ。ふふふ、とうとう財宝にまで辿り着いたのだ!このラクダたちも水にありつけるぞ。さあいざゆかん」
「あっ、抜け駆けはずっこいですよ、隊長ー!」
(エキゾチックな旅行隊より)

いかがですか?
みなさんも旅行隊の一員に加わりたくありませんか。
大丈夫です、弊社におまかせください。
ここだけのお話し、400円なんです(ひっそり)。


牧一心

2012年2月24日金曜日

たくあんチーズ

きのう書いた「舌を肥やす会」ですけど、
読んでわかる通り、
この名称がそのまま目的です。
舌のセンスを鋭敏にするために、
味の極点から極点までを旅する会です。

たかしさんはすでに持参品を
発表しているのですが、
覚王山のチーズ専門店で買った
「たくあんみたいに臭いチーズ」を
持ってきます。

お店の店員さんに、
「この中でいちばん臭いチーズをくれ」
と言って出してもらったものみたいです。

「甘いはうまい」とか
「辛いはうまい」とか言いますけど、
ニッポンたるもの「くさいはうまい」
というのがたかしの信条です。

「自分を磨く」にはどんな手があるか。
真っ先に、本を読むことが考えつきます。
上司や先輩に相談をする手もあります。
つまり、
先達の誰かに頼ることです。

ぼくが中学や高校時代のとき、
「ケツモチ」という存在がかなり
ハバを利かせていたことを思い出します。

自分がトラブルや収集のつかない出来事に
巻き込まれたとき、
電話一本で助けてくれるような存在。
そういうのが「ケツモチ」です。
始末のつかないケツをぬぐってくれるわけです。
こうやって書くと、
仏様のような人みたいですね。

ともかく、「知識」というものと、
「ケツモチ」というものは、
同じようなものじゃありませんでしょうか。
結局頼らなきゃ解決できない。
自分はいつまで立っても
「お尻を拭けないベビー」になってしまいます。

それじゃイヤイヤイヤイヤダなのです。
たくあんかチーズかどっちなのだ、
という区別ぐらい自分でつけたいわけなんです。
「舌を肥やす会」はそういう会なんです。

舌を肥やすと舌足らずで力説する、
舌先三寸のぼくでした。


牧一心

2012年2月23日木曜日

山崎まかない

今月からオーシャンのスタッフ内で、
「舌を肥やす会」を行うことになりました。
月に1回というかんじで予定しています。

飲食店で大事なことはなにか?
サービス業で大事なことはなにか?
そういうことを考えるとき、
お客さんに提供するものを磨くということが、
第一に大事だと思います。

それと同じぐらいに大事なことは、
働き手が自分自身を磨いていくことでしょう。
でもこれはお客さんからしたら
磨かれていて当然ということもあるので、
磨かれていこうとする過程を語ることは、
未熟さの証明ということになってしまいます。

でもいいんです。
やっぱり過程が楽しんですよね。

今日は色んな部門を見習い中の山崎くんが、
畑部長のたかしさんのまかないご飯を
作ることになりました。

山崎くんはパスタを勉強してみたいと言うので、
じゃーやってみなよということになりました。
オーシャンでは挑戦者に門戸が開かれてます。

彼は包丁をにぎると、
にんにくを大胆に切りはじめました。
そして瓶に入った唐辛子をガバッとつかみました。
「今日はピリ辛にしてみたいですけど、
これぐらいでいいですかね?」
厨房のみんなは忙しいので、
ろくに聞きもせず「うんうん」と返事をしています。

ぼくは遠くから横目で見ていましたが、
彼はおよそ20人前のぺペロンチーノに使う量を
フライパンに投入していました。
それをきれいにお皿に盛り付けました。
とても見栄えはいいです。

そして彼らは外のテラス席に出て
食べはじめました。
すぐに、すこし開いた厨房の窓から、
「ムホン!山崎くん、うまいよ。ムホン!
すこし辛いけどうまいよ。ムホンムホン!」
という声が聞こえてきました。

身をもって体験する若手と、
それを見守る先輩の犠牲という、
演出としては申し分のない
ヒューマンドラマみたいな構図です。
「つづく…。ムホン!」
そしてエンドロールというかんじです

「舌を肥やす会」のことを書こうとしたのに、
まかない話になってしまいました。
会はおもしろくなりそうです、ふっふっふ。


牧一心

2012年2月22日水曜日

オーシャンの節電具合

昨日は朝2時間だけ薪ストーブに
火を入れただけで、
夜までずっと暖房いらずでした。

12月の間は3、4回ストーブを使った
ぐらいだったと思います。
肌寒いなと思って点けても、
すぐに汗が出るほどあったまったのです。

1月はだいたい毎朝点けました。
それでも午前中に火を焚いて、
あとは暗くなったらもうちょっと薪を
足すだけであったまりました。

お店のドームハウス型がいいのか、
断熱がしっかりしているのか、
窓が多くて太陽の熱であったまるのか、
幸運にも火の妖精が舞い降りたのか、
胸の熱い人たちが集まっているのか、
なんなのかよく分かりません。
分かりませんけど、
あったかくなります。

唯一、モーニングヨガの日だけは、
エアコンと薪ストーブの合わせ技で
いきます。
でも、それもヨガがはじまって少しすると、
参加者の方は熱くなってしまうので、
エアコンを切ります。

結局のところオーシャンの電気代は、
同業他社にくらべたらすごく低いと思います。
この浮いたお金で、
ぼくになにか買ってくれるって話になったら
もっと最高なんですけどね。


牧一心

2012年2月21日火曜日

悪事を働いてしまった人の解毒日

オーシャンでは今週から試飲で
トゥルシーのハーブティーを出しています。
インドの伝統的なハーブです。
インドにいくとだいたいどこのベランダにも
鉢に植えてあるみたいです。

ぼくはインドに行ったことがないので、
どういったベランダか正確には知りませんが、
毎朝新聞がベランダに投げ込まれるみたいです。
いいですね。

ぼくの家のポストは道路の前に立てられてるので、
片道20歩ほど外を歩かないといけないのが
いやです。
それなら庭に放り投げられても、
アメリカ式のが歩数的には少なそうなので、
まだそっちのがいいです。

でもインドなら居間なり寝室なりから、
片足踏み出せばいいだけじゃないですか。
歩幅的には半歩分ですからね。
実利に重きをおくインドならではでしょうか。

トゥルシーはけっこう強い香りがあって、
甘みのあるお茶になります。
ジャスミンティーをエスプレッソで飲む、
そんな雰囲気のしっかりした味があります。

とても解毒作用があるみたいです。
インドは仏教をはじめとするヨガや瞑想、
からだを整えるスパイスもある。
スピリチュアルな面が強いんだけど、
こういうのは実利主義の反対作用なんですかね?

「今日はあいつ壷を高く買っていきやがって、
すっかり儲かっちまったぜ。
さて帰ってすっきりと解毒でもするかな」
みたいな。
(善良なインドの方すいません)

オーシャンのお客さんも善良な方ばかりかと
思いますが、
ちょっと自分の悪事に思い当たる方は、
解毒でもしに来ませんか?


牧一心

麹の隆盛

・さいきんオーシャンでは
ドレッシングに塩麹を使ってるんですけど、
知ってる人が多くてびっくりします。

「私もつくってます」とか、
「ああ、塩麹ね!」というふうに
けっこうな確率で肯定的な反応があります。
肯定的な反応はどんなときでも
うれしいものですね。

・今日はオーシャンメンバーで
田中優さんの講演会に行ってきました。
すごくおもしろかったです。

ぬか漬けや味噌などの話もあり、
オーシャンが大切にしている発酵食品にも
あらためて自信がもてます。

もしまだ田中優さんの話を聞いたことない方、
機会があればおすすめします。

・ぼくの中学生からのともだちに、
中村こうじというものがいます。
かれのことを昔ぼくは「こうじみそ」と呼んで、
ばかにしていました。

ごめんなさい、
それは間違いでした。
こうじみそ、これは誇りに思うべきだ。
こんど会ったらそう言ってやります。


牧一心

2012年2月19日日曜日

カナかな日

・カナしいかな
うれしいかな

ツラいかな
しあわせかな

クルしいかな
たのしいかな

ナミダおとすかな
それはよろこびかな

カナかなゆきかう毎日です。
カタカナとひらがなみたいに、
いつでも変換できればいいのに。

カクカクカタカナ日と、
へらへらひらがな日が、
かわるがわるでやってきます。

・豆乳ホイップクリームをみなさん、
ためしたことはありますか?

オーシャンのメニューには色んな
ところについてきます。
ワッフル、
スコーン、
マフィン、
プリンなどなど、
これらのすみにぴったり寄りそってます。

乳製品のクリームにくらべると、
舌ざわりは濃厚で味はさっぱりしています。
それと、あまり胃がもたれないという
気もしますね、胃弱なぼくからすると。

豆乳クリームはかき混ぜてしばらくたつと
カタくなるんですよね。
だからそういうときはまたホイップして、
やわらかくしてあげるんです。

だからカナ日にいるとき、
かな日に変換するためには、
ホイップするといいかもしれません。
どうやってやるか?
かんたんです、
こうやってやるんです。

ホイップホイップ!
ホイッ!プッ!
プップー!


牧一心

2012年2月18日土曜日

野菜世代間

サンタカシクロースがしいたけを
届けてくれた以来、
オーシャンではしいたけが活躍してます。

原木しいたけでして、
これも幡豆の山で作っています。
こんな寒い時期ですけど、
サンタカシが様子をみに山に物色に行くと、
「どえらい増えていた」とのことです。

手の平サイズから親指サイズまであり、
見ていると笠のところを撫でたくなるような
かわいさです。

かわいい食べ物っていいですよね。
最近、新種のブロッコリーも使いましたけど、
かわいさにかけてはこれも負けてません。
ファンタジーの国ののどかな村に植わってる、
青リンゴの木みたいな形をしてます。
たとえがわるいという人は
もう見てもらうしかありません。

原木しいたけと、
新種のブロッコリー。
並べてみるとだいぶ世代間を感じます。

ついかわいいを連発してしまいましたが、
どっちも見慣れないです。
見慣れないからいいのか、
というものでも当然ありません。

でも、野菜はほんとうは無数の品種がある、
ということは間違いないことです。
在来種が復活して、
新種が出てくる。
でも一般にはその中間のものが出回る。

オーシャンでは色んな食材に挑戦してます。
葉っぱと戦い、
茎に苦しめられ、
根っこに打ち勝つ。
そういう激しい草食バトルが裏にはあるのです。


牧一心

2012年2月17日金曜日

コンポスト化とハゲ山

オーシャンで出る生ゴミは
お店のとなりのハーブ畑にいきます。
コンポスト化するために、
容器に投入するのです。

生ゴミはそのまま埋めても
堆肥としては使えないのです。
知ってましたか?
ぼくはそんなことすら知りませんでした。

ぼくは10代のころおしゃれな観葉植物を
部屋の机に置いてました。
10何年も前からぼくはエコロジーを売りにして、
女の子のポイントを稼ごうとしてたのです。

そういう不純な動機から植物は弱り、
水をあげても回復の兆しを見せませんので、
「そうだ肥料だ!」と思いつきました。
そこで食べ残しのバナナを皮ごと突っ込み、
これでたっぷり栄養をとれよと念じました。

予想されるとおり、
事態は深刻さを増しました。
繊細なはっぱは一枚落ちて、
また一枚落ちて、
代官山のカフェにでも並んでそうなものが、
ただのハゲ山になりました。
(持ち主として無情かもしれませんが、
実際のところそうなってしまったのです)

つまりぼくは生ゴミを、
コンポスト化していなかったのです。
生ゴミもコンポストを媒介しなければ、
やっぱりただの生ゴミなのだ。

生ゴミは発酵させなければ、
「ただのゴミ」どころか
畑の土を悪くさせるものにしてしまうんですね。
畑の作物の育ちを悪くしてしまう。

そこで考えてみると、
人だって「勉強」だと思ってたことが
生ゴミのままだったら、
生活の中から収穫できるものが
減ってしまうんじゃないのか。

そこらへんに転がってる「情報」というのは
生ゴミではないのか、と。
だから生ゴミを自分の知識として振る舞っても、
いまいち充実感が湧いてこない。
むしろむなしくなる。

ぼくもどうにかして
ハゲ山になることを防がなければなりません。
麹菌でもシャンプーに使ってみようかしら。


牧一心

2012年2月16日木曜日

サンタカシクロース

今日はランチタイムに厨房で
仕事をしているところに、
サンタカシクロースがやってきました。

サンタカシクロースなる人物とは、
この世の現実に存在する人です。
出会える時期が年に1回とかいうような、
記念日みたいなものはありません。

冬でも小春日和でも梅雨でも、
とくに関係ありません。
ただし早寝なので、
太陽のあるうちしかサンタカシは
活動できません。

ぼくがパスタを茹でていると、
勝手口の引き戸がガランピシャンと
開きました。
サンタカシです。
サンタカシはいいことがあると、
引き戸をガランピシャンと開きます。

特大の透明なビニール袋をかついで、
にやりと笑っています。

サンタカシの姿を詳細に描くと、
まず上着にはパタゴニアの
ウィンドブレーカーを着ています。
ジーンズを長靴にたくしこみ、
多くの場合ニット帽をかぶっています。
痩せ型で、
元サッカー部のキャプテンです。

もしお店のほうで見かけたら、
ぜひ声をかけてみてください。
なにかくれるかもしれません。

ともかく今日、
サンタカシはしてやったり顔で
特大ビニール袋に「しいたけ」を一杯にして
やってきました。

「きのこをたくさん摘むと興奮するんだよ、
1回やってみるといいよ。
ほっほっほー」
サンタカシクロースのことを知らなければ、
不気味だと思われても仕方ありません。

サンタカシクロースは博愛主義者です。
子どもばかりにかぎらず、
老若熟女だれにたいしても
分けへだてがないです。

もぎとったばかりの肉厚のしいたけを、
ステーキにしておろし醤油で
食べさせてくれました。
舌鼓のパーカッションが轟き、
三河湾を望む小さなお店に
ほっほっほーと笑いがもれます。

2012年2月15日水曜日

ドレミリミキシング

オーシャンのサラダには、
二種類のドレッシングを
使っています。

二種類というのは、
オイル系とペースト系です。

ちなみに今日のドレッシングは
オイル系がたまねぎと塩麹とごま油で、
ペースト系がにんじんとカシューナッツでした。

ドレッシングは収穫した野菜によって、
日々刻々と変わります。
つまりオーシャンのドレッシングは、
とっても新鮮なわけです。

朝、畑からきたやってきた野菜は
ミキサーにかけられます。
「ヘイヨー。1、2マイクチェック、イェー」
みたいなノリで、
ミキシングされます。

ドレッシングに必要なこと、
それは波長のあうリミックスです。
野菜、油、調味料、
それらのギャングスターたちの
兄弟愛の賜物です。

そうしてやっと、
「うちのファミリーのサラダ
マジ半端ねー」
と、みなさんのテーブルに運ばれるのです。


牧一心

2012年2月14日火曜日

ハッピーターン

今日はオーシャンが休みで、
オーナーのさよちゃんとぼくの彼女と
スノーボードに行ってきました。

うっかりものの彼女は、
コンタクトケースにコンタクトを
入れてくるのを忘れました。

どうしようということになって、
こうなったらゴーグルの代わりに
メガネでやってみようと言いだしました。
そこでメガネケースを開けてみると、
なんとそれも空っぽだったのです。

目的地に近いところで発覚したので
今更どうにもなりません。
そのうっかり具合に愕然としながら、
みんなでハッピーターンを食べていました。
ハッピーパウダー250%増量中のものです。

それにしても250%は大幅すぎませんか?
買っておいていうのもなんですが。
個人的にはちょっと塩辛すぎるので、
やっぱりふつうのやつのがいいです。

ぼくはそんなことをぶつぶついいながら
食べていると、
彼女がとつぜん「あれ、見えるかも!」
といいだしました。

コンタクトもない。
メガネもない。
そんな土壇場で彼女は開き直り、
眼が覚醒したようです。

「見えるかも!」
なので、
劇的変化とはいわないまでも、
人間の底力が湧いたのでしょうか。

結局彼女はぐんぐん滑って、
半日でしたけど滑りきりました。

枠に収まるっていうのは怖いことですね。
自分がこんだけしかできないと思ったら、
やっぱりそんだけしかできない。

でもなにかのトラブルで
その枠が外れたとき、
できないと思ってたことができるようになる。

なんてすごいハッピーターンなんだ!
まさに喜び転換点じゃないですか。
こういうことを人生の中でやっていけたら、
すごくいいですね。

人間は等身大ですけど、
250%ぐらいでかくなっちゃうかもですよ。
あながちハッピーパウダー、
あなどれぬですよ。


牧一心

ヨガのつづき

昨日はヨガの中の筋肉だけに
的をしぼったわけですけど、
やっぱりヨガといえば瞑想ですよね。

瞑想なんですけど、
人の話をきいていると
動きに関しての話が多い気がします。

ぼくのはじめてのヨガ経験は
小学生のころです。
母親についていきまして、
地元の勤労会館でした。
15人ぐらいで先生を前にして、
蓮華座をくんで向かいあってました。

動きはあんまり記憶にないんですが、
座った姿勢でポーズをとり、
深呼吸をするといったかんじで、
ゆるやかなものです。

とくに記憶に残っているのは、
ラジカセの海とイルカのBGMです。
ザザー、ザパーン。
キューン、キューン。
(イルカの効果音については自信が
あまりありませんけど)
だいたいそんなのだったと思います。

20年ぐらい前のことです。
ぼくの経験はかなり限定されてますけど、
瞑想っていうのが主でした。

それが今ではどうなんでしょう。
エアロビみたいなのがミックスされてたり、
筋トレに重きをおいていたりと、
色んなスタイルがあります。
つまりじっとした瞑想タイプのほかに、
アクションタイプが色々とある。

ちなみにオーシャンのKAYO先生は、
伝統的なヨガみたいですけど、
ふくらはぎがプルプルくること必定です。

KAYO先生のキュートなスマイルから、
厳しい姿勢が要求されます。
からだの節々がイルカみたいに、
キューンとなること必定です。


牧一心

2012年2月12日日曜日

今日はヨガの日

今日は朝ヨガの日でした。
朝はちょっと寒くても、
いざヨガをはじめると
汗をかきはじめます。

じーっくりとからだを伸ばすことは、
スポーツとはまたちがう動きですね。
同じ筋肉を使うのでも、
なにか別の運動という感覚があります。

サッカーでいえば
ボールに向かってダーっと走ったり、
ズザーっとタックルをかけたり、
バフーっとシュートするような、
動くための筋肉ですよね。

でもヨガは
決められたポーズの中で、
ピタリと静止するんですよね。
無理のないていどに。
(ぼくはふらふらしますけど)

それで深呼吸をします。
はじめはストレッチの感覚なんです。
でも5分10分してくると、
汗がぽたぽたマットに落ちてきます。

もしヨガをストレッチだと思ってる方、
(それはぼくだったのですけど)
やってみてください。
ちがいますから。

じゃ筋トレか、
スポーツか、
それもやっぱりちがいます。

一つ思ったのは、
ヨガは学校の部活動にはない動きです。
だから、
日本人には能動的に選択しなければ、
味わえない感覚なのかもしれません。

もしかしたら話に聞くと、
太極拳は似てるのかもしれないです。
太極拳も呼吸が大事みたいです。

よく自分の一日をふり返ると、
息を止めて突っ走しているような気分に
なることがあります。
そういうときヨガの経験は、
呼吸のきっかけを作るかもしれません。

それではみなさん、
アーサナー。


牧一心

2012年2月11日土曜日

白菜和風カレー

今週のオーシャンのメニューには、
「白菜和風カレー」が出ました。

色んなスパイスが入っているので
刺激的なんですけど、
どこか懐かしい味がする。
この懐かしさはかなり主観的ですけど、
昔のうちのおばあちゃんのカレーを
思いだします。

だからパクッとこのカレーを食べると、
インドの国旗とおばあちゃんの顔が
同時に、
ストロボのごとく点滅するわけです。

うちのおばあちゃんはカレーの中に、
ちくわでもハンペンでも、
しょうゆでも味噌でも、
先入観にとらわれず
組み合わせていました。

オーシャンではちくわもハンペンも
入れてませんけど、
しょうゆや味噌は使っています。
これがまた、
ご飯に合います、すすみます。

カレーよカレーよ
ぬしはどこからやってきた
グルメ界のガンジーよ
ぬしはだれとも握手をする
宗教を塗り替える辛香心


牧一心

一寸先


「一寸先は闇」という状況を
よく想像してみます。

夜の海に沈んだとき、
深い森に迷いこんだとき、
地獄の谷を綱渡りするとき、
こういうのは一寸先が闇の
状況ですよね。

『24』のジャック・バウワーみたいな、
新撰組とか浪士が徘徊する
夜の鴨川みたいな、
そういうのも一寸先は闇ですよね。

見る分には楽しいですけど、
とても当事者にはなりたくない。
でも、
誰だって突然顔の前に
怪物が現れることがないとは
いえません。

怖れと憧れが重なる
一寸先の闇。
……だからなにというわけでも
ないんですけど。

さいきん勇気だしてないなと思ったので、
口にだしてみたしだいです。
むむむ、一寸先は闇ではないか?
かかってこい、てい!
日本男児でいきますよぼくは。


牧一心

2012年2月9日木曜日

オーシャンの結婚パーティー

来月オーシャンでは、
二件の結婚パーティーがあります。

一つは3月10日で、
仲の良い二組のカップルの
お祝いをします。
どちらも結婚式はまだしていないので、
「とりあえず一足先にパーティーだ!」
ということになったのです。

もう一つは3月31日で、
オーシャンのスタッフとしても働く
カップルのパーティーになります。
新郎が参加人数分のコップを、
竹を割って作るというで楽しみです。

10日はランチまで通常営業をして、
二時から貸切りとなります。
31日はまだ未定ですので、
追って連絡させていただきます。

「どうなるのだ、
オーシャンの結婚パーティー!」
とスタッフは盛り上がってます。

ライブ、
上映会、
ワークショップなど、
オーシャンは色んなイベントスペースに
なっていますけれど、
また楽しみな行事が加わってきます。

巷の夜は氷点下ですけど、
春の芽吹きがはじまりました。
パンも蕾も希望も、
膨らむものバンザイ。


牧一心

2012年2月8日水曜日

パンとオイル

最近オーシャンではパスタランチに
つけるプチパンを焼きはじめました。

そぼくなパンです。
指で弾けばころころ転がって、
良いパスが遅れそうなほど
丸いパンです。

今までオーシャンではパンを
出してきませんでした。
やっぱりお米にまつわるところに
力を注いできたので、
パンさまには楽屋裏でしばらく
控えてもらっていたのです。

「先生、お願いします!」
と、舞台を整えてお呼びしたのですが、
いざとなってさあ困りました。
バターがないのです。

ご存知ない方のために言い添えて
おきますと、
オーシャンの料理には動物性の食材は
一切使っていません。

卵も、
牛乳も、
魚貝も、
生き物はなにも使っていません。

奇跡だと思いませんか?
料理屋で生き物を使わないなんて。
大げさでしょうかぼくは?
いいんです大げさでぼくは、
今年は大げさでいこうと決めてますから。

とにかく「バター」がないということです。
何を使うか。
オリーブオイルでいかして頂きます。
しかも、
オーシャン特製フレーバーオイルで
いっちゃいます。

特製ですよ。
誰にも言いません。
うそです。
畑でとれたローズマリーなど、
色んなハーブをブレンドします。

動物がいなくても、
オーシャンはお客さんの心を
波立たせます。
楽しみにしていらっしゃってください。


牧一心

2012年2月7日火曜日

ぬか漬けの進化

オーシャンのぬか漬けは
日々進化しています。

オーシャンの畑部「宮本農園」の
たかしさんがこしらえたぬか床では、
晴れの日も
雨の日も
ハレー彗星が流れようが
桜島が噴火しようが、
毎夜毎夜ビッグバンが起きてます。

カブやだいこんはぬか床の中で
急激に膨張して、
そして柔らかにぬかを舐ったのちに、
ダーウィンもびっくりするのです。

そんな風にして、
オーシャンのお惣菜の中には
宇宙ができているんです。


牧一心

2012年2月6日月曜日

お話しこ話し

今日はオーシャンお休みでした。
雨ぱらり、
雲ゆらり、
鳥隠れたり、
天切り天気。

ぼくは家にいました。
おしりあったか、
カーペットがあったか、
どうしてみたことか、
おしりみたことか、
ほらみたことか。

栗ごはんを焚きました。
乾物こんぶと
甘タレみりんの結婚で、
やかまし屋のおしおさん仲人に、
催し物となりましたとさ。

ちゃんちゃん。


牧一心

2012年2月5日日曜日

勉強じゃなくてシュミーズ

観念の勉強っていったい何に
役立つのでしょうか。

勝海舟とか福沢諭吉の自伝を読んだり、
夢のシンボルを現実に関連付けたり、
仏教における地獄と極楽の概念を
ノートに書き出してみたり、
いったい何の役に立つのでしょうか。

少なくともこういう本を読んだからって、
損はしない。
いやまてよ、時間の無駄じゃないか?
だってこういうことを知ったからって、
本を買うお金は使っても、
お金をもらうことはできませんからね。

いったい観念の勉強って、
何の役に立つことがあるのでしょうかね。
笑いはとれないでしょ、
儲かることはないし、
女の子にモテることもなさそうだ
(むしろ嫌がられる)。

頭でっかちとか、
理屈をこねる人とか、
机上の空論とか、
象牙の塔とか、
思い浮かぶのは
警告の言葉ばっかなんですよね。

こういう勉強はとりつかれやすいうえに
際限がないから、
「ほどほどにしとけよ!」
っていう先人の経験談なのかな。

生活につながらなかったら、
ほんと自己満足にしかならないですから、
勉強なんて思わないほうがいいですね。
ぼくはこれから
「スポーツだ!」
っていうふうにでも思うようにします。

サッカーでディフェンダーを抜こうと
フェイントをかけて、
ゴール前に出てシュートを決める。

そんなスポーツで得られる快感と、
難しい概念を自分なりに二元化
できたときの快感は、
近いものじゃありませんか?

またまた共通するのは、
プロじゃなきゃ趣味にしかならん、
ってことじゃないですか。
気をつけます、
勉強じゃなくてシュミーズだよと。
せいぜいが下着類だよと。


牧一心

2012年2月4日土曜日

オーシャンのサラダ

オーシャンではできるだけ
自前の畑でとれた野菜を使ってます。
だから季節感はとっても
楽しめると思います。

なので料理のメニューをなかなか
固定することができません。
サラダには当たり前のレタスも
つかない日のが多いぐらいです。

じゃサラダの葉ものは何がくるのか。
今なら水菜とかルッコラとか、
あとは正式名称があるのかないのか
分からないような葉っぱがつきます。

やっぱりレタスとは違います。
苦味があったり、
甘かったり、
ぴりっとしていたり、
青い味(言葉ではいいづらい味)など、
それぞれに独特な味があります。

それは万人共通の味とはいえません。
ふつうのサラダ〈レタスにキャベツ?)
にしてくれという人もいるかもしれません。
が、やっぱり畑の野菜を使おうとすると
それはできません。

日替わりで朝厨房に届く野菜が
ちがいます。
これは生でいける、
これはいけない、
みたいに峻別します。

オーシャンのサラダはそういうかんじです。
それは、スタッフがいうのもなんですが
すごいおいしいサラダです。
むしゃむしゃ食べてしまいますよ。
スタッフはその野菜を
みんなむしゃむしゃ食べてます。
どうぞ、むしゃつきにきてください。


牧一心

2012年2月3日金曜日

ちぢみ

寒い季節がからだを縮ませようと
たくらんでる。
凍る寸前の水が歯茎を縮ませようと
たくらんでる。
冷たいシャツが心臓を縮ませようと
たくらんでる。
血も涙もない冷たいフローリングが
ピンキー(小指)を縮ませようと
たくらんでる。
冷えたドアノブが地獄の門みたいに
せっかく布団から出た勇気を縮ませようと
たくらんでる。
廊下が
台所が
洗面所が
トイレが
小さくなったからだをもっと縮ませようと
たくらんでる。
玄関で首を縮めて
お尻を縮めて
ほっぺを縮めて
手をグーに縮めて
小さくなったからだでドアを押して
やっと外に出る。
こんなに縮んで仕事ができるのかな
なんて考えながら
小さく縮んだ地球に出勤する。
冬のたくらみに縮み
太陽の明るみに小さなほころび


牧一心

2012年2月2日木曜日

ハニーレモンシロップ

・少し前にレモンをたくさん収穫しました。
それでハニーレモンシロップを作りまして、
ボトル詰めにしたものをお店に並べてます。

お店ではこのシロップを使って
ハニーレモンソーダーや、
お湯で割りホットドリンクにして
出しています。
紅茶に入れてもおいしいです。
(スタッフにいってください、
お出ししますので)

・今日は朝雪が吹雪いていたので、
「これはちょっと営業自体どうか、
帰れなくなりそうだから、
家の遠いスタッフは早上がりしよう」
って話になってました。

でも11時の開店時間になってみれば
吹雪はぴたりとやんで、
お客さんはぞくぞくと入ってきてくれました。
気が緩んでいた分、
「てやんでい! 天気がなんでい!」
と江戸っ子張りに気合が入りました。

今日は風が強くて、
波がしぶきをあげてました。
そういう海も日本晴れの海と同じように、
見ていて気持ちがいいものです。


牧一心

2012年2月1日水曜日

一心十刻

一心が
日清で
三振して
失神したけど
誤審だった
無心で耐え忍ぶその心
ナッシングと解く
でもにんげん野心が燃えて
屈伸しながら
突進する


牧一心