2012年12月11日火曜日

秘密はそのままで

ガルシア=マルケスの『生きて、語り伝える』を、
夏の終わりから読みはじめてまだ終わってません。
読まない日もあれば1日数ページとかもあって、
やっと後半に入ったところです。

趣味で読む本はいちばん後回しにしてしまうのと、
好きで読んでることもあって時間をかけてしまいます。
それに、ページを開くたびにメモしたいことが出てくるので、
ノートに書き写してるだけで時間がかかります。
今日書き写したのはこういう言葉でした。

「最初に衝動的に思ったのは、
この発見の詳細を確認するために訪ねていって
ドアを叩いてみようということだったが、
自分の内気さに負けて訪ねなかった。
これによって人生そのものが私に教えてくれたのだ——
書くのにいちばん役に立つ秘密は、現実の中の象形文字を、
ドアを叩いて質問していかずに読めるようになることだ、と」

僕は長い間営業マンをやっていたこともあって、
人の家のドアにも心のドアにもピンポンを押して、
入っていくことの怖さに耐えるようになりました。
ドアを閉められようとしても、
すっと隙間に足を入れこむようにしてぐいぐい体を入れてきました。
でもいつからか隙間に体を入れることをやめてました。
これによって人生そのものが私に教えてくれたのだ——
秘密は秘密のままにしといたほうがいい、と。

ドアを叩いても、
開かないなら開かないままのほうがいいです。
開かないドアをこじ開ける努力で、
地獄の門が開いてしまうことに比べたら。

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