2012年9月2日日曜日

西尾ワイルドターキー

・年代で趣味嗜好が変化するように、
年齢によって「カッコいい酒」も変わります。

十代の頃、バイト先の社長に連れて行ってもらった、
ラウンジやクラブで水割りを水のようにサラッと飲むのを見て、
カッコいいと思いました。

また別の人に居酒屋に連れて行ってもらって、
僕が焼酎は鏡月グリーンしか知らないときに、
ボトルキープしている酒が芋焼酎で、
それもロックで飲んでいる姿がカッコいいなとも思いました。

ヘミングウェイが描く酒もまたカッコよかったです。
キューバが舞台の小説だったと思いますけど、
バーで飲んでた主人公が水筒を出して、
フローズンダイキリをそこに詰めてくれるようバーテンダーに頼んで、
それを持って釣りか何かに出かけるという話しも新鮮でした。

しかし、群を抜いてシビレたのは、
高校生も終わりぐらいの頃の小さなバーでのことでした。
アメリカン好きな先輩に連れて行ってもらった、
はじめて踏み込むアメリカンなバーです。

僕は母親がアメリカ人でも育ちは西尾なので、
そういう革ジャン、リーゼントが当たり前のバーに入るには、
すこぶる緊張しました。

僕が身体を固くして何を頼んでいいのか分からず手当たり次第に
「ショウチュ、いや、生ください」
と言っている横でその先輩はこう言いました。
「おれ、バーボン、ロックでもらおうかな」
バ、バーボン?
なんだそれは?
「ワイルドターキーのね」
よくわからんけどカッコいい!
それがすぐに飲み物だと認識できなかったほどです。
当時の僕の年代からしたら、
バーボンなんてドラゴンボールの登場キャラの一人でしかありません。

「バーボンをロックで」
僕はこの言葉に昔も今も「大人」を感じます。
今も頼むのが恥ずかしいぐらいです。
でもそれに憧れて、アメリカンなバーに行くようになって、
同年代を前にして頼むバーボン・ロックという自分に酔っていました。

あの消毒薬みたいな味の酒をよくガマンして飲む。
元気があればなんでもできるアントニオですけど、
カッコいいと思ったら何でもガマンできるっていうのは、
気をつけたほうがよさそうです。
だいたい、カッコいいと思ってやってるうちは、
サマになりません。

・今日は日帰りで京都に行ってきます。
オーシャンはリニューアルして元気に営業してます!

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