・年代で趣味嗜好が変化するように、
年齢によって「カッコいい酒」も変わります。
十代の頃、バイト先の社長に連れて行ってもらった、
ラウンジやクラブで水割りを水のようにサラッと飲むのを見て、
カッコいいと思いました。
また別の人に居酒屋に連れて行ってもらって、
僕が焼酎は鏡月グリーンしか知らないときに、
ボトルキープしている酒が芋焼酎で、
それもロックで飲んでいる姿がカッコいいなとも思いました。
ヘミングウェイが描く酒もまたカッコよかったです。
キューバが舞台の小説だったと思いますけど、
バーで飲んでた主人公が水筒を出して、
フローズンダイキリをそこに詰めてくれるようバーテンダーに頼んで、
それを持って釣りか何かに出かけるという話しも新鮮でした。
しかし、群を抜いてシビレたのは、
高校生も終わりぐらいの頃の小さなバーでのことでした。
アメリカン好きな先輩に連れて行ってもらった、
はじめて踏み込むアメリカンなバーです。
僕は母親がアメリカ人でも育ちは西尾なので、
そういう革ジャン、リーゼントが当たり前のバーに入るには、
すこぶる緊張しました。
僕が身体を固くして何を頼んでいいのか分からず手当たり次第に
「ショウチュ、いや、生ください」
と言っている横でその先輩はこう言いました。
「おれ、バーボン、ロックでもらおうかな」
バ、バーボン?
なんだそれは?
「ワイルドターキーのね」
よくわからんけどカッコいい!
それがすぐに飲み物だと認識できなかったほどです。
当時の僕の年代からしたら、
バーボンなんてドラゴンボールの登場キャラの一人でしかありません。
「バーボンをロックで」
僕はこの言葉に昔も今も「大人」を感じます。
今も頼むのが恥ずかしいぐらいです。
でもそれに憧れて、アメリカンなバーに行くようになって、
同年代を前にして頼むバーボン・ロックという自分に酔っていました。
あの消毒薬みたいな味の酒をよくガマンして飲む。
元気があればなんでもできるアントニオですけど、
カッコいいと思ったら何でもガマンできるっていうのは、
気をつけたほうがよさそうです。
だいたい、カッコいいと思ってやってるうちは、
サマになりません。
・今日は日帰りで京都に行ってきます。
オーシャンはリニューアルして元気に営業してます!
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