2012年6月25日月曜日

ウーファーのカリーナ

・今オーシャンにはメキシコ人のウーファーがいます。
彼女はカリーナという名前で、
旦那さんのセバスチャンが日本で合気道を勉強するために
二ヶ月ほど前に一緒にやってきました。

ウーファーとは無報酬で働く代わりに、
受入先が宿と食事を提供するシステムです。
ウーファーはそこで仕事の勉強をすることができて、
受入先も一定期間の助っ人として働き手が増えるので、
お互いの目的にかなっているなら良いシステムです。

カリーナは7年間ロンドンの大学で心理学の勉強をして、
メキシコの実家に帰る前に日本に寄って、
オーシャンの農業を手伝ってくれている今に至る次第です。
彼女はメキシコに帰ったら心理学の勉強を活かして、
精神的に病んだ人たちを助けることのできる
無農薬農業のファームを作りたいというのです。

農作業をしながら、リハビリも兼ねて、
心の状態を元に戻す。
カリーナはそういう仕事がメキシコでは必要だと言ってました。
彼女の実家があるメキシコシティは人口が二千万人の大都市です。
都市の心の病い。

そういうからだの回復を目指す施設でぼくが想像するのは、
『魔の山』のサナトリウムとか
『ノルウェイの森』の阿美寮とかです。
カリーナは、同じ回復させる施設にしても
滞在する人に求めるところは働くことみたいなので、
阿美寮に近いかもしれません。

サナトリウムは施設から出る必要もなく一日五食を食べて、
ただ有意義に過ごしてもらうとこです。
阿美寮は基本的には施設の仕事をみんなで手伝いながら住むとこです。
ギターの先生をやる代わりに滞在費が安くなるとか、
畑仕事や受付けも、みんな患者が仕事をする感じです。

働かない人間が堕落していくのは『魔の山』を読むとよく分かります。
働いていたら病んだっていう病いは、
働くのをただ辞めただけじゃ解決しなさそうです。
将来のカリーナ・ファームが楽しみです。

・ぼくはこれから荷造りです。
どうしよう、ハワイに行って益々堕落したら。
心配を胸に楽園へ行ってきます。

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