自分の身体の特徴を知るっていうのは難しいです。
似合わないのに眉毛を剃りすぎたりとか、
扁平足なのに先端の尖った靴を履いたりとか、
本当はくせっ毛なのにストレートパーマをかけたりとか。
そういうことをして、何か調和していないという人はよくいます。
最近は色白男子がモテるという風潮があるみたいで、
野球少年たちがこぞってUVカットをしていると聞きました。
コインロッカーで、
「あ、ファンデーションで下地入れてるのかよ」
「そうさ。こっちのが持ちがいいからな」
「おいおいお前ら、
毎日使うもんだからオーガニックのクリームにしたほうがいいぞ」
みたいな話しが交わされてるんですかね。
まったく涙ぐましい努力をしているんだなと思うと同時に、
まったく無駄に終わる浪費です。
野球部の男児が美白を求めようなんて、
どだい無理な注文です。
ぼくは昔からこんがり焼けた肌に憧れていました。
引き締まって見えて、
男らしさとはこのことだと思うぐらいでした。
憧れるというのも、ぼくは肌がかなり白い部類に入るからです。
「いっしん美白じゃーん」
なんて言われるとカチンときて、
「黒くなってやるぞ」と思うのでした。
それで十代の頃は意地になって日焼けサロンに通ったり、
外でサッカーなんかするときは日焼けクリームを塗っていた。
でも、地が白いぼくは黒くならず赤く焼けて、
たとえ繰り返して黒くなってもすぐ元の白に戻ってしまうのです。
それで長い時間かけて気付いたことは、
「おれの母ちゃんは白人だぞ」ということです。
ぼくの肌が白くても、
「閉じこもり」でもなけりゃ「不健康」でもない。
白いのが正常だっていうことです。
だから野球部の少年たちあなたらは黒いもんで、
おれは白いんもんだ、そういう話しです。
白黒逆転しようとしてもオセロみたいにはならんぞ、
そういう話しです。
うまい言い回しと思いきや、ぜんぜんうまい言い回しじゃないぞ、
そういう話しです。
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