2012年6月4日月曜日

おまえは黒でおれは白

自分の身体の特徴を知るっていうのは難しいです。
似合わないのに眉毛を剃りすぎたりとか、
扁平足なのに先端の尖った靴を履いたりとか、
本当はくせっ毛なのにストレートパーマをかけたりとか。
そういうことをして、何か調和していないという人はよくいます。

最近は色白男子がモテるという風潮があるみたいで、
野球少年たちがこぞってUVカットをしていると聞きました。
コインロッカーで、
「あ、ファンデーションで下地入れてるのかよ」
「そうさ。こっちのが持ちがいいからな」
「おいおいお前ら、
毎日使うもんだからオーガニックのクリームにしたほうがいいぞ」
みたいな話しが交わされてるんですかね。

まったく涙ぐましい努力をしているんだなと思うと同時に、
まったく無駄に終わる浪費です。
野球部の男児が美白を求めようなんて、
どだい無理な注文です。

ぼくは昔からこんがり焼けた肌に憧れていました。
引き締まって見えて、
男らしさとはこのことだと思うぐらいでした。
憧れるというのも、ぼくは肌がかなり白い部類に入るからです。
「いっしん美白じゃーん」
なんて言われるとカチンときて、
「黒くなってやるぞ」と思うのでした。

それで十代の頃は意地になって日焼けサロンに通ったり、
外でサッカーなんかするときは日焼けクリームを塗っていた。
でも、地が白いぼくは黒くならず赤く焼けて、
たとえ繰り返して黒くなってもすぐ元の白に戻ってしまうのです。

それで長い時間かけて気付いたことは、
「おれの母ちゃんは白人だぞ」ということです。
ぼくの肌が白くても、
「閉じこもり」でもなけりゃ「不健康」でもない。
白いのが正常だっていうことです。

だから野球部の少年たちあなたらは黒いもんで、
おれは白いんもんだ、そういう話しです。
白黒逆転しようとしてもオセロみたいにはならんぞ、
そういう話しです。
うまい言い回しと思いきや、ぜんぜんうまい言い回しじゃないぞ、
そういう話しです。

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