ぼくの家では昔から朝食にオートミールが出ました。
でも小さい頃、
この牛乳で食べるポリッジ(お粥)は好きじゃなかった。
それで長い間食べてなかったんですけど、
しばらく前にアイルランドに旅行に行ったとき、
泊まったホテルの朝食でこのポリッジを久しぶりに食べました。
このホテルはコーク州のブラーニーという小さな町にあって、
目の前がブラーニー・キャッスルという砦みたいな城がある場所でした。
二階建ての小じんまりした建物で、
一階がパブとレストランで、
上の階が客室という作りになっています。
ぼくはここに三泊したんですけど
何が楽しかったって、
朝食ほど楽しいことはなかった。
朝食なのにコース料理みたいなメニューがあるんです。
朝食が10品ぐらいあって好きなものを選ぶことができるんです。
それがどれも豪華でした。
フルーツの盛り合わせはリンゴにメロン、オレンジなどが大皿でくるもの。
ホットケーキにベーコンを載せてシロップをかけたもの。
ドライフルーツのシリアルとヨーグルトのセット。
こういうものが順番に運ばれてきて、
最後に何の注文もせずにライ麦の食パンが出てきます。
それも5枚か6枚かのスライスが食パン置きに並んでくる。
さすがにこのときにはもうお腹も一杯ですから、
一枚もらってそれで終わりしました。
こういうメニューの中に「ポリッジ」が単体であったのです。
他のメニューはカラフルな名称が並んでるのに、
ポリッジは「ポリッジ」だけです。
飾り気も商売っ気も何もないただの「porridge」。
最後の日までこれは頼みませんでした。
三日目にぼくは体調が悪くなって、
そこでポリッジを一品だけ頼んだのです。
蓋付きのお椀で運ばれて、
開けると湯気を立てて牛乳に煮詰められたオートミールが現れます。
好きな量の砂糖、バター、ナッツを加える。
調子の悪い胃にも優しくて
これがおいしかったです。
それから日本に帰ってぼくはすぐに、
クエーカーのオートミールを注文しました。
今では朝食に欠かせないです。
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