2012年5月26日土曜日

炙り海苔

・そら豆の収穫が終わって、
メニューで出すのは今週末か、
少し残っても来週で終わりそうです。
そら豆シーズンは約1ヶ月ありました。

そら豆のクリームパスタ。
そら豆のかき揚げ。
そら豆のミネストローネ。
そら豆のパウンドケーキ。
そらー、色々できました。
そして分かったことは、
そら豆はやっぱりおいしかったということです。

食べ逃した人は
来年の五月にまた会いましょう。

・昨日はオーシャンディナーの貸切り予約があって、
10名の方々が来てくれました。
料理のシメにおにぎりと味噌汁を最後に出そうと
握っていたんですけど、
自分らの分も一個ずつ作ろうとなりました。

握りまして、
ぼくは海苔をおにぎりに巻く前に
ふと過去の記憶がよみがえってきてコンロで海苔を炙りました。
さっと両面が焦げないていどに。
そして海苔をおにぎりに巻き、
仕事中だという現実も遠い彼方に消えて、
間髪を逃さずコンロの前でおにぎりにかぶりつきました。
パリッ、モチッ。
この食感!
はあ、今思い出してもたまりません。

昔、ぼくのおばあちゃんがおにぎりを作ってくれるとき、
うちの海苔はだいたい湿気っていたので、
いつも海苔を使うときにコンロの火で直に炙っていたのです。
それをさっと巻いて手渡してくれる。
ぼくのほうもそれをパッと受け取ってかぶりつく。
パリッ、モチッ。
この食感!
はあ、今思い出してもたまりません。
はあ、何回でもこのやり取りをくり返せそうです。

炙った海苔は歯当たりのみならず香りも数段増します。
あの、歯で薄い海苔をパリッと破るときの感触。
その次に、やさしく握られたモチモチの米にたどり着く。
このおいしさは何なのでしょう。
ヨーロッパの食べ物で例えるなら、
クロワッサンに共通するおいしさかもしれません。
クロワッサンの薄い層を破って中のもっちりにたどり着くみたいな、
あの歯に当たった瞬間の感触が近そうです。

ぼくはもうコンロの前で、おにぎり片手に幸せな一瞬。
その横から店長のJ子は、
「よかったね、家の海苔がいつも湿気ってて」
となかなか痛烈です。

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