オーシャンには裏世界があります。
そんなダークサイドな舞台でなにがおきているか、知りたいですか?
暗殺、麻薬取引、人さらい。
フフフ、そういうところまではまだ手を出しておりません。
昨日はしぼりとられた白い物体が店に運ばれてきました。
店のスタッフはみんなすっかり興奮気味になります。
容器に移したものを鼻でかいでみます、おお。
そして味をみるために舌の上にのせる、おお。
ピリッときて、
酸味もある。
うーん、上物だ。
まったりとした「サケカス」だ。
袋にどっさりとあるサケカスを台にあけて山分け。
ムフフフ、と悪そうな笑いがあがる場面です。
どうするよ?こんなにあるぜ。
どっぷりサケカス風呂にでも浸かるかい?
それともたっぷり使って美顔パックにでもするかい?
スタッフのりょうちゃんはギャングっぷりを発揮していました。
皿洗いをしながら、パク。
ホールの注文を聞いて帰ってくるたびに、パク。
通りすがりに、パク。
サケカスの前を通るたびに、パクパク。
ツマミ食いです。
そしてその言い訳は、
「昔、おばあちゃんにからだに良いから食べていいよって言われたの」
まあでも、そんなつまみ食いはかわいいもんです。
仕事の帰り道にぼくは彼女に電話で言いました。
「今日はサケカス風呂にでもするかな」
「なにそれ、臭そう。そんなの汚いじゃん。
なんで魚なんか風呂に入れるの」
「いや、鮭じゃないよ・・・・」
とにかく、これがオーシャンの裏世界。
一歩踏み込めばデンジャラスな人たちでいっぱいだ。