細くすったにんじんに、
アーモンドとブルーベリーをからませて、
りんご酢で和えたものを最近よくサラダに出してます。
ぼくはこれ好きなんです。
学校の給食で出たりんごやみかんとキャベツなど、
「フルーツと野菜を一緒にするな」
という人がけっこういましたので、
その手の人はお気に召すかわかりませんが。
でも上等なブルーベリーを使っているだけあって、
良い味を出してるんです。
ぼくが子どものころの写真に、
ブルーベリーが一杯の紙箱を抱えて、
青い汁でべたべたになりながら
鷲掴みで食べているというのがありました。
ベリーを熊みたいにむしゃむしゃ食べるのって
おいしいですよね。
でもブルーベリーの真価が発揮されるのは、
単独よりも誰かと出会ったときだと思います。
ブルーベリーはマフィンとかホットケーキに出会うと、
理屈抜きで一緒になる恋人みたいになってしまいます。
『マイ・ブルーベリー・ナイツ』では
ジャズシンガーのノラ・ジョーンズと、
ジュード・ロウが境界を飛び越えて出会います。
その相手がにんじんになった、
ということをぼくは言いたいわけなんです。
それはもちろん、マフィンとかホットケーキに比べたら、
にんじんとの間には階級差がありますよ。
マフィンとかホットケーキがブルジョワなら、
にんじんは田舎出の野心はあるけど仕事がない男みたいなやつで、
ブルーベリーがにんじんを恋人にするには、
勇気がいるなんてもんじゃありません。
親の承諾だっているでしょう(ブルーベリーの親ってだれだ?)。
「ドンノワ~イ アイディドゥンカ~ム♪」
みたいに、彼女は来なかった……、
となる可能性大です。
でも、
階級差婚はすごい愛が生まれる可能性をもってます。
愛まで引っ張っり出しましたが、
オーシャンのにんじんサラダは出会ってしまったのです。
牧W一心